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カテゴリ:契約書・公正証書
まず、実印か、認印か。 実印は、個人は市役所に、法人は登記所に印影を登録しているもので、市役所や登記所が発行する印鑑証明書とセットで、本人確認をします。法律上は、実印とそれ以外では扱いが異なりますから、ここでは、「実印か、それ以外の印鑑か」にした方が、正確でした。 実印は、不動産登記や自動車の登録などで、役所が要求する場合以外は、めったに使うことはありません。書類だけで、本人が作成した文書であることを確認をする方法としては、おそらく、最高の方法で、実印を押して印鑑証明書をつければ、「記憶にありません。」とは、なかなか、いえません。さらに、印鑑証明書は一旦見せて返してくれることが多いので、期限内なら使い回しができますから、印鑑証明書を人に渡すときは、実印を押す時点で、覚悟しておいた方が良いです。 契約書は、認印で十分です。 「署名」か「記名+押印」か。 「署名」は、名前を手書きすることで、「記名+押印」は、スタンプやワープロ印字の名前の横に印鑑を押すことで、どちらも、刑法上の有印私文書の「有印」になります。「署名+押印」は、署名だけでよいので、屋上屋を重ねるようなところもありますが、よく利用されます。 「署名」または「記名+捺印」が、あるかどうかで、文書の信頼性の保護の程度が、まったく異なります(刑法159条で、懲役の上限で5年と1年の違いがある)。三文判で、他人名義の文書を作るときは、必ず本人の了承を得ましょう。 契印と割印。 契印は、書類の枚数が複数になるときに、勝手に、差替えができないように、文書を一体化するのに使います。「記名+捺印」で使った印鑑を押してください。当事者が複数のときは、「ワシは、知らん」と言わせないため、全員が押した方が無難です。ホッチキスでとめて、前の用紙をしっかり折って、印影に途切れたところがでないように、押すのがコツです。A4片面印刷の書類ならうまく押せます。 割印は、契印とごっちゃになったりするのですが、それ自体独立した文書同士を一体化するものです。具体例としては、請負契約書の最終見積書や、契約変更があった場合に原契約書のコピーを添付するときに使います。また、廃棄物処理委託契約書に、許可証のコピーを添付するのにも使います。 訂正印と捨印。 訂正が必要なときは、訂正前の内容も確認できるように二重線で消して、すぐ横に訂正後の内容を書き込み、上の余白に、当事者全員の「記名+押印」に使った印鑑を押して、「削除○字、加入○字」と、書きます。ここに押しているのが、訂正印です。 捨印は、将来の訂正に備えて、あらかじめ、訂正印だけを押しておく、というものです。私のような、他人名義の文書を扱うものにとっては、とても便利なものですが、文書自体が、変造自由というような状態になりますから、面倒でも、その都度、訂正に応じたほうが無難です。 最後に、止印。 末尾の余白が大きいときに、勝手に書き込まれないように押す印です。あまり大きな余白ができそうでしたら、行間を広げて調整した方がきれいです。
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最終更新日
2006年10月17日 15時11分28秒
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