建設業会計の話、「現金預金」、「未成工事支出金」
同業の大先輩のお話です。 面白かったので、書いておきます。 昔は、建設会社の社長である夫は、いつも、腹巻に現金を入れておいて、現場に、材料屋さん等が取り立てに来ると、その都度、支払っていた。 一戸建ての注文があると、嬉しくて、後のことを考えないで、最初から、いい材料を使うものだから、最後には、ほとんど、もうけはなかった。 それでも、他に、改修工事などで儲けが出たので、やっていけた。 思えば、その頃が、職人気質の発揮できる、もっともいい最後の時代だった。 時代は移って、建設業会計は、工事原価を、個別の受注工事ごとに計算するので、このような、儲けにばらつきのあるようなことにはならず、まんべんなく利益が出るような方向にむかうので、ある意味では、職人気質のいい面を制約する、と言えないこともありません。 勘定科目で言うと、腹巻に入っているのが、「現金預金」で、材料屋さんに支払うたびに、左側に「未成工事支出金」、右側に「現金」という仕訳をして、「現金預金」が少なくなって、「未成工事支出金」に変わっていくということになります。