2006/08/01(火)15:45
にんげんだもの。
また日曜日のはなし。
目当てのお寿司やさんに行くまでの時間を相田みつを美術館で過ごした。
これまでも何度か前を通ったことがありながら入るのは初めて。
展示のテーマを決めて定期的に作品を入れ替えていることもあって
日曜午後の美術館はけっこう人が多かった。
今まで相田みつをさんの作品は何度も目にしている。
わたしのまわりにもファンは多く、書家としてより詩人として好きな人がほとんどかな。
相田さんの書体や作品の言葉は、作風をまるっきり真似ている路上詩人があちこちにいるほど
心の乾いている今の日本人が求めるものなのかもしれない。
今は夏休みということもあるのか「相田みつをってどんな人?」ってことで
小学生でもわかりやすく鑑賞できる“初めて出逢う相田みつを”がテーマ。
子供のころの写真や9歳のころの作品もあって意外な面を知ることになる。
けっこう男前なのよね相田みつをさんて。若いころは特に。
展示室は全部で5つあってギャラリーたちは行儀よく静かに鑑賞していた。
相田さんを好きな人たちだからなのかな、
次の人にも気遣いながら説明パネルを読みながらも少し位置をずらしたりと
“自分が最優先”でない空間ってとっても居心地がよかった。
作品を見ながら何度か涙がこみあげてきた。
幼いころに戦死した二人の兄を思う作品やわが子を見つめる暖かい視線、
そういうものが何の飾り気もなく、雨が土に沁みこむように伝わってくる。
きっと10年前じゃなく今のわたしだから感じることもあるんだろう。
相田さんの言葉は最初から短いんじゃないんだね。
詩人としての作品をじっくりじっくり練り直して
子供でも理解できるようなシンプルな言葉に変えて筆に託す。
元の詩を知った上で短い言葉を見たとき、
相田さんが伝えたいことがもっとよくわかるような気がする。
また行こうかな。