ダブルの小部屋

2010/07/11(日)23:16

屋久島旅行2008-1

屋久島巡礼(9)

 2年前、2008年の夏の旅行記を綴ります。  4泊5日の屋久島旅行でした。  前段は、この日記をご覧下さいませ ⇒☆  カテゴリーも『屋久島巡礼』を新設し、そこに入れ込みました。  過去の断片的な屋久島関連日記をごらんの方はどうぞ。 1.到着  さて、8月5日(火)に、妻と小6の息子のだいち3人で鹿児島空港から屋久島空港へ到着。  天候は快晴だった。  空港ロビーで荷物を確認。  妻とだいちは2~3泊用のキャリーバックで適度な荷物。  一方わたしはと言えば、海外旅行用の大きなボストンバックに携帯用ギターと、大荷物だった。  わたしが到着ロビーで荷物の受け渡しをしている間に、いち早く妻とだいちはガイドのkimiさんと挨拶を交わしていた。  わたしのボストンバックの重量を計ると、何と20数kgもあった。  わたしも遅れて、やっとkimiさんと初対面を果たした。  それからすぐに、kiniさんの車に荷物を積み込んで、旅が始まった。              ~ 屋久島空港に到着 ~ 2.ドライブ  屋久島周遊道路を快適に走る車の中でkimiさんとわたしは穏やかな会話を楽しんでいた。  後部座席のだいちが時々口を挟む。  だいちが「すぐにでもどこかで泳ぎたい」と言う。  kimiさんが「だいちくん、どこで泳ぎたい?、海・川・滝のどれ?」  だいちはしばらく考えた末に「川か滝・・・うーんやっぱり滝」と応える。  この時点で、kimiさんの中では1日目の旅の構想が徐々に出来上がっていたようだった。  なにせ、今回の旅はほとんどkimiさん任せなのである。  時刻は正午を回っていた。  先ずは、昼食の時間だ。  kimiさんは、「屋久どん」という屋久杉の民芸品で店内が飾られた素敵な食堂に案内してくれた。  kimiさんは車の中で休憩、我々3人はゆっくりと昼食をとった。            ~ お昼を頂いた食堂の店内 ~ 3.落すの滝  昼食が終わり、いよいよ屋久島ツアーだ。  先ず連れて行ってくれた所は、川が海に流れ込む突端の水場。  kimiさんが水晶を浄化する時によく使う場所との事だった。  そこでは、地元の親子連れやダイバーが賑やかに泳ぎやバーベキューを楽しんだりしていた。  我々は、しばし景色に見惚れ、川を中心に山の方や海の方を眺めていた。  足をちょっと川の中に浸けてみた。  冷たくて気持ちが良い。  だいちも同様、水際遊びに熱中し始めていた。  思わず泳ぎたくなったわたしだったのだが、kimiさんと妻は違う方向を見ていた。  今日は、ここはこの位にして、次へ行こうというのだ。  どこへ行くのだろうと思いながら、車に戻る。  それからおもむろに車は周遊道路を横切って、山の方へ分け進んで行った。  ぎりぎり車が通れる道幅の、玉砂利の悪路をグイングイン上下しながら車は進んでいく。  たどり着いたところは、ちょっとした砂利の空き地だった。  そこで車を降り、デイパックに水着とタオル着替えなど必要最小限の荷物を詰め、両手に軍手をして、歩き始めた。  しばらくは平坦な比較的幅広の道で、気楽なハイキング気分だった。  夏の日差しの下、小さな虫が、足元を飛び交い、地面に止まってはまた飛ぶといった様相。  『ハンミョウ』と言う虫だとkimiさんが教えてくれた。  道先案内人(虫)なのだという。  そう言われれば、その虫たちは、我々の行く先々を迎えるように飛び交っては止まっていたのだった。                  ~ ハンミョウ ~  その気楽なハイキングが10分位で終わった後、いよいよ山道に分け入った。  それは、道と言えるようなものではなく、山肌の草むらを分け入って登る獣道だった。  kimiさん曰く、この道は地元の人にもあまり知られていない道なき道だよ、と。  足元に気をつけながら木々を掴みブッシュを掴みの山登りだった。                ~ 道なき道を行く ~  妻は軽々と、わたしは飄々と、だいちは面白がって、わいわい言いながらkimiさんに続いた。  途中で、大木が倒れていたりして、道が変化していて、ガイドのkimiさんでさえちょっと道に迷うほどだった。  そんな山行きを20~30分くらい歩いただろうか。  「ほらその下に川が見えてきたよ」とkimiさん。  確かに、右下に川らしきものがありそうで、せせらぎの音が心地良く聞こえてきた。  もうすぐ滝に着くらしかった。            ~ せせらぎが聞こえてきた ~                ~ わっ滝だぁ!? ~  もう、わくわくで、噴出した汗も吹っ飛ぶ感じがした。  木陰から滝がみえた途端に、わたしは叫んでいた、「おおっ、滝だぁ~!」。  山の中腹に、木々に囲まれた滝があった。  それが、『落すの滝』で、先程行った海に流れ込む川(落す側)の上流だと知ったのは後のことだった。  早速みんな水着に着替えて恐る恐る滝壺に入って行く。  しばらくすると慣れてきて、冷たい水に身を浸けて大はしゃぎ。  わたしは滝の真下まで行き、滝行もどきをしたりして遊んだ。  妻は端のほうで身を浸すくらい、だいちは浮き輪を持って結局一番長く水に親しんでいた。              ~ 滝壺で水と戯れる3人 ~  わたしはひとしきり遊んだ後に、急に身体に震えが来て泳ぐのをやめた。  身体がぶるぶると震えていた。  岩場に立って、日光で身体を温めている内に、妙な誤感覚に見舞われた。  空の雲行きが怪しくなって雷も鳴り、滝の音にも錯覚を起したのか、雨が降ってきたのかと錯覚したのだった。  向こうの岩場にいる3人に、「えっ、雨、雨が降っている!?」と大声で叫ぶ。    3人は笑って、「お父さん、違う違う」とだいちが言う。  しかし、わたしの個人的な体験は、光の雨が降り注いでいるという表現しようも無いものだった。  後から考えてみると、30分の厳しい山登りの後、急に冷たい滝壺に入り体力を消耗し身体の体温調整がうまく行かなくなったわたしの身体の症状だったのだなと思う。  しかし、ロマンティックに表現すれば、聖なる滝壺の精霊に浄化され神秘体験を垣間見たとも言える。          ~ 斜めに隆起している周辺の地層 ~  古来より滝は聖なるものとして扱われてきた。  最近では、スピリチュアルスポットの範疇に入る。  仏教僧や神主様が滝行をするのも心身の浄化の為であろう。  滝は水龍とも例えられる。  あながちわたしだけのロマンティックな妄想と片付けられるものでもないだろう。  その後、帰り支度をして、来た道を降りる最中もずっと両手はじんじんとしびれたままだった。  『ハンミョウ』の飛び交う大きな道まで降りて来て、やっとその身体症状も治まった。  いつもの自分に戻って、4人で談笑しながら車まで元気に歩いた。  以上が、屋久島旅行での最初の神秘体験だった。  屋久島旅行1日目の半分までの道行きで、今日の日記を終わります。(つづく)                                 ~ 落すの滝 ~

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る