2018/01/25(木)11:31
シネマ歌舞伎、はまりそう!
ショコラさんからお勧めされたシネマ歌舞伎。やっと見ることが出来た。
随分前からその存在は知っていたけれど、今まで積極的に見ようとは思っていなかったのが正直なところ。
このところ、映画を見るときにいつも誘うのがTさんなので、今回も彼女を誘った。
実は、彼女は障がい者手帳を持っているので、映画や美術館に一緒に行くと割引になる。
もちろん割引のためだけではなく、彼女自身が一緒に行くことを喜んでくれるので、「一石二鳥」なのだ。
さて、今回の演目は「京鹿子娘五人道成寺/二人椀久」。
いやー、予想以上に素晴らしかった。
この舞台に登場する俳優たちのインタビューや、楽屋裏の様子などもちりばめられて、
それぞれのこの舞台への思いや努力が伝わってくる。
このようにして伝統は継承され、この舞台のためにどれほどの人たちが汗を流し、
それぞれの立場で精進を重ねているかがヒシヒシと伝わってくる。
ショコラさんが教えてくれたように、映像で編集されているからそれぞれの表情もアップで見ることができ、
舞台上での俳優たちの阿吽の魂の交流なども感じられる。
それに、劇場だと三味線、浄瑠璃、笛や太鼓の人たちの表情などを見ることは少ないのだけれど、
これもアップで写されることがあるので、その真剣なまなざしなどにも感動した。
これほど多くの人たちが精魂込めて作り上げる舞台だからこそ、歌舞伎に詳しくない人でも感動できるのかもしれない。
私が最初に見た時はまだ10代で、歌舞伎なんて見たこともなかったけれど、
わけがわからないままにとても感動したのはそのせいかもしれないと思った。
それにしても坂東玉三郎ってやっぱりすごい女形なのだろう。
インタビューで同じ舞台に立つ勘九郎、七之助、中村虎太郎、中村梅枝それぞれが、
玉三郎と同じ舞台に立つ感動や緊張、その中で学ぶ喜びを語っていた。
人が人に何かを伝えるということは、こういうことなのだなと思った。
伝えたい人がいて教わりたい人がいる。その真剣な交流の中にこそ、本当の学びがあるのだろう。
きっと、主役級の人だけではなく大勢のお坊さん役の俳優たちも、それぞれに真剣に学んでいるのだろう。
歌舞伎俳優にとっては、この舞台そのものが修行の場であり道場なのだろうな。
それにしても、歌舞伎の若手たちは続々と育っている。
今後が楽しみである。
次は「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」が上映されるとか。
2月の1週間だけの上映なのだが、大好きだった中村勘三郎が出演しているので、ぜひ見たいと思っている。