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テーマ:読書備忘録(1335)
カテゴリ:読書
書いておかないと、何を読んだか忘れてしまうので…。
「殿様の通信簿」磯田直道(新潮文庫) 商品の説明 内容紹介 史料──それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。 内容(「BOOK」データベースより) 史料「土芥寇讎記」―それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 磯田/道史 1970(昭和45)年岡山市生れ。2002(平成14)年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。’04年より茨城大学人文学部准教授。’08年から国際日本文化研究センター客員准教授も務める。専攻は日本社会経済史。加賀藩の御算用者・猪山家の幕末から明治に亘る家計を記した古文書を発見し、これを大きな時代の波を乗り越える家の記録として読み解いた『武士の家計簿』を’03年に発表。同書は専門家だけでなく一般の歴史ファンにまで幅広く話題を呼び、新潮ドキュメント賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 商品説明に書いてある通り、この本は「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」という幕府の隠密の「秘密諜報」を幕府高官がまとめたものらしい。 元禄三年頃に、当時の大名243人の人物評載せられており、現存するのは東大資料編纂所所蔵の一冊だけのようだ。 (著書の「はじめに」要約) この本で取り上げられているのは「徳川光圀」「浅野内匠頭」「池田綱政」「前田利家」「前田利常」「内藤家長」「本田作左衛門」。 隙間時間で興味深く読めるし、文章がとてもわかりやすいのでとにかくスイスイ読める。 著者が古文書をワクワクドキドキしながら読み進んだ時の新発見の感動や驚き、納得などなどが本の中から立ち上ってくる気がする。 そして、「文庫版あとがき」を読んで、さらに納得しながら日本への希望も抱くことが出来た。 思うに、この国には「物事は長い目で判断しなくてはいけない」と考える美風がある。 「今さえよければいい」という思想を断然否定するものであって、自分一代ではなく、世代を超えた長期的視点を大切にする思想である。 「日本人はすぐに過去を忘れてしまう」と、したり顔で語る人がいるが、実はそうでもなく、日本人の思想の根底には、世代を超えた判断基準、超時代性を求める思想が、やはりある。 歴史を観ることによって、自分のものの見方をひろげる、という考えに立つ人が少なくないように思う。 (P279) まだ引用したい文章があるのだが、著者が書いている「歴史の法則性」や、江戸時代が現代に通じるものが多いということも、とても納得できた。 この数年、日本の近代史に関する本を読むことが多かったのだが、磯田氏のおかげで日本を見直すための視点をもう一つ持てたような気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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