2024/06/23(日)09:24
「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」鑑賞
昨日は午後からの北海道文化塾で札幌に出かけたので、
その前に観たかった映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を観てきた。
ひとりの命を救うことは、
世界と未来を救うこと
チェコの子供たち669人をナチスから救い
50年後に驚きの再会を果たした
ニコラス・ウィントンの愛と苦悩を描いた感動の実話
スティーヴン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』で描かれたオスカー・シンドラーのように、ナチスの手からいくつもの命を救った人物が英国にもいた。
彼の名はニコラス・ウィントン、ロンドンで株の仲買人として働き、充実した人生を送っていたごく普通の若者が、なぜ、どうやって、669人もの子供たちを救出したのか?
ニコラスの命をかけた活動と子供たちとの50年後の再会を、アカデミー賞®作品賞を受賞した『英国王のスピーチ』のプロデューサー、エミール・シャーマンとイアン・カニングが後世に伝えようと決意。
15年前に企画を立ち上げ、その頃は存命だったニコラス本人との面会を果たして快諾される。
さらに、ニコラスの娘バーバラの著書「If it's Not Impossible…」を原作とすることにも本人から賛同を得る。
その後の長期の構想と綿密なリサーチを経て、遂に映画化を実現させた。
アカデミー賞®に2度輝く世界の名優アンソニー・ホプキンス主演
最高峰のキャスト&スタッフで描く、今この時代にこそ必要な物語
物語の“現在”である1988年のニコラスに扮するのは、アンソニー・ホプキンス。
アカデミー賞®に6度ノミネートされ、そのうち『羊たちの沈黙』と『ファーザー』で主演男優賞を2度受賞した映画界の至宝だ。
明るくてチャーミングなニコラスが、その胸の奥にいまだ多くの子供たちを救えなかったことへの苦悩を抱え続ける姿を、自身の深く長い人生経験と重ねるようにリアルに演じた。
観る者すべての心を激しく揺さぶるTV番組「ザッツ・ライフ!」の収録シーンには、実際にニコラスに助けられたかつての子供たちやその親族が世界中から撮影に参加。
数多のキャリアを積むホプキンスでさえ「彼らが入ってきた時の光景に胸を打たれ、センチメンタルにならないようにするのが大変でした」と打ち明けている。
若き日のニコラスには、『ブルックリンの恋人たち』のジョニー・フリン。ただ純粋に目の前に苦しむ人がいたら手を差し伸べるという、根源的な人間愛に満ちた青年を真っ直ぐに演じた。
良識に基づく行動と他者への優しさと敬意を息子に教えたと胸を張る、凛とした佇まいのニコラスの母親バベットには、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞®にノミネートされたヘレナ・ボナム=カーター。
ニコラスの苦悩を理解し、ユーモアをもって支え続ける妻グレーテには、『敵、ある愛の物語』でアカデミー賞®にノミネートされたレナ・オリン。
その他にも、ジョー・ライト監督の『つぐない』で高く評価されたロモーラ・ガライ、『パーティで女の子に話しかけるには』で注目されたアレックス・シャープ、「ザ・クラウン」シリーズで広く知られる英国エンタメ界の重鎮ジョナサン・プライスなど、確かな演技で魅せる俳優たちが出演している。
監督はポン・ジュノ監督と共に「スノーピアサー」の製作総指揮を務めたジェームズ・ホーズ。
50年の時を行き来することで本作のテーマの今日性を炙り出した脚本は、『リリーのすべて』のルシンダ・コクソン。
哀切な旋律が重なり合いながら豊かな楽曲へと紡がれていく、本作を象徴するような音楽は『西部戦線異状なし』でアカデミー賞®作曲賞を受賞したフォルカー・バーテルマン。
私は一般的な映画ではあまり涙は出ない方なのだが、この映画にはまいった。
人には困っている人を助けたいという本能があると信じているのだが、
状況によって別の本能が肥大化し、人類愛に基づく善なる本能が委縮する現象ばかりみせつけられている今、ぜひこの映画を多くの人に見てもらいたいと思った。
今現在も、悲惨な状況の中で危険を顧みずに弱き者たちを救いたいと
必死に頑張っている人たちもいるのだろう。
せめて寄付くらいはしなくちゃと心から思った。