絵本120 「おばけむら」南部 和也 (著)田島 征三(絵)
「おばけむら 」田島 征三 (イラスト), 南部 和也 (著)内容(「MARC」データベースより)山の奥深くに、ひなびた村があった。村人たちは、それなりに幸せに暮らしていた。ある日、遠くの村から馬車をしたがえた一行が、おばけを連れてやってきた。素晴らしいお礼の代償に、村人たちが手にした毎日とは一体…?南部和也さんの文に田島征三さんの絵の絵本。南部和也さんは、動物のお医者さんなんですね。子供向けの絵本ではあるけれど、実に色々なことを考えさせられる絵本。というより、現代の問題をあぶりだすような風刺絵本。絵本はもともと様々な人間模様を描いたものが多いけれど、これは強烈。著者や画家の強い思いがストレートに伝わるのは、田島さんの絵が本当に力強いからだろう。小さな村でそれなりに穏やかに暮らしていたのに、様々な社会問題にによって故郷を捨てざるを得なかった人はこの本をどんな思いで読むんだろう。しかし、実は今でも「おばけむら」になりつつある地方は多いはずだ。どうしたらほんとうのお化け退治ができるんだろう。