犯人は、知識におぼれ - ルミノール反応 -
その捜査は、難航が予想された。殺人現場と思われる、その部屋。我々はその部屋を、犯行現場と特定したかったのだが。現場に放置された、多量の削られた大根。そして、部屋中に満ちる、鼻をつく大根のすえた臭い。それらが、難航する捜査の象徴であった。我々は現場検証で、ルミノール反応による血痕の検出を試みる。その際に大根は、その検証を妨げる。なぜなら、大根はパーオキシターゼを含むからだ。ルミノール反応は、酸化反応。しかし、大根に含まれるパーオキシターゼは、酸化を促進する。そのため、大根でも、ルミノール反応は起きる。ルミノール反応では、大根おろしと血痕との区別ができない。犯人はそれを知り、大根おろしをこの部屋中に塗りつけたのだろう。しかし、その部屋中の様子だけで、十分であった。犯人は、科学の知識を有するに違いない。この大根おろしの知識を持つ者・・・。「この部屋の住人、kopanda06を指名手配せよ!!」そして・・・。まもなく、逃走中のkopanda06は逮捕された。逮捕の決め手となったのは、逃走中の彼が持っていた、大根おろし器であったという。