2012/02/11(土)10:49
ほんとうに だまされたのは - サブリミナル -
うそばかりの、サブリミナル広告。
1956年、アメリカ、ニュージャージー州フォートリー。
広告業者ジェイムズ・ヴィカリーは、映画「ピクニック」の上映で、ある実験をしたと公表しました。
映画の画面に「ポップコーンを食べろ」などのメッセージを、ほんの短時間表示。
そのメッセージの表示は、わずか1/3000秒。
映画館で6週間、観客4万5699人に対して継続。
その結果、ポップコーンの売り上げが57.5%、コーラは18.1%増したという。
これが有名な、サブリミナル効果を使った映画の広告実験。
しかし、この実験には、大きな疑問があります。
映画のフィルム送りは、1秒間に24コマ。
つまりメッセージは、1/24秒の表示しか不可能。
より速いテレビですら、1/30秒しか不可能。
この実験は、論文も学会発表もなく、実験方法も不明。
つまり、単なるクチコミ情報。
しかし、その話は都市伝説的に広まりました。
1958年、連邦議会は世論を重視し、ヴィカリーに再実験を要請しました。
仕方なく、応じたヴィカリーの再実験。
やはりその実験では、メッセージの表示は、現実的な1/20秒。
その結果、一切の効果はありませんでした。
実験方法が怪しく、論文なし、学会発表なし、再現性なし。
サブリミナル広告の実験は、おそらく捏造。
心理学では、サブリミナルによる映画,テレビでの広告効果は否定されました。
しかし、世論を重視して、アメリカではサブリミナル広告は禁止。
日本も、自主規制に。
その結果、映画、テレビでのサブリミナル広告は、実験で確認することもできなくなりました。
サブリミナル広告は、今では封印された都市伝説。
観客4万5699人、売り上げ57.5%増、18.1%増。
サブリミナル広告が都市伝説が広まったのは、この細かな数字で人々を信じさせた点にあります。
また当時の人々は、急速に広まるマスメディアによる、洗脳教育の可能性を恐れ始めていました。
その人々の潜在意識が、サブリミナル広告を容易に信じさせました。
人々が、サブリミナル広告の効果を信じた現象。
これこそが、まさにサブリミナル効果でした。
(継続中)
【 「お気に入りダイエット TM」:「なぜ 飢える - 太る遺伝 -」掲載】