2015/05/31(日)19:39
自然は知り、人は知らず - 木の不思議 -
高い木の天辺まで水が届くしくみは、まだ解明しきれてはいません。
圧力差で水をくみ上げるポンプでは、高さ10メートル以上には水は上がりません。
しかし、カリフォルニアのジャイアントセコイアは、高さが100メートル以上あります。
「葉からの水の蒸発」で、水が吸い上げられるという説があります。
しかし、それだけでは、真空ポンプの限界10メートル以上に水は上がりません。
「毛細管現象」で説明しようとする説もあります。
やはり、それだけでは、100メートル以上に水をあげるのは無理があります。
木の細胞内の水は濃いので、水が吸い上げられるという説もあります。
この「浸透圧」は考えられますが、高木の説明はかなり困難です。
水の引き合う力は、大きな力になると考えられています。
サイフォンの原理でもある水の引き合う力「凝集力」は、数十メートルの高さに水を上げる力があると言われます。
「葉からの水の蒸発」、「毛細管現象」、「浸透圧」に「凝集力」。
個々の力だけでは、高い木が水を上げるしくみは説明できません。
仕方なく、今の化学では、それらの力の組み合わせを答えとしています。
しかし、それほど複雑な作用の組み合わせを、木は選んで利用しているのでしょうか?
木がどうやって水を上げるのか。
自然が知るごく基本的なメカニズムすら、人はまだ知り得てはいないのです。