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カテゴリ:*** 神話・お話 ***
オディロン・ルドンの絵「キュクロープス」をご存知の方は多いでしょう。
この絵に絵がかれているのは、一つ目の巨人キュクロープスのポリュペーモス。 ポリュペーモスは、海のニンフ、ガラテアに恋します。 しかし、ガラテアには、人間の恋人アキスがいました。 それでもポリュペーモスは、かなわぬ恋をあきらめず、ガラテアを追い続けます。 ある日、ポリュペーモスは、アキスと戯れるガラテアを見つけます。 怒りに狂った彼は、二人に大岩を投げつけます。 不幸なアキスは、大岩につぶされます。 ガラテアは逃げましたが、ポリュペーモスの想いがかなうはずもありません。 ポリュペーモスの一つ目は、偏った見方、偏見を示します。 偏見を持つものが、おのれの巨大な力も知らず暴走すれば、不幸しか残りません。 ポリュペーモスは肉体は大人でも、心も感情も幼児同然。 彼は殺人を犯しても罪の意識はなく、感情を爆発させた爽快さすら感じています。 巨大な力を持つポリュペーモスは、誰にも罰せられず、 理不尽に殺されたアキスには、何の救いもありません。 ルドンはキュクロープスで、偏見を持つ者が巨大な力を持つ恐怖を描きました。 その者が、幼稚な心で自己の主張を押し通す時、恐ろしい破局が訪れます。 現代の世界でも、あなたは幼稚で醜悪なキュクロープスのその視線に、恐怖せざるを得ません。 巨大な力と偏見を持つその者の、海の向こうからのその視線に。 ※ ルドン 「キュクロープス」: ウィキペディア フリーライセンス画像より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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