2018/09/10(月)17:33
許されないヒトの罪 - 海水 -
のどが渇いても海水は飲んではいけない。
被災時に守るべき事柄です。
あなたがもし、飲み水がなく海原を漂流しても、決して海水は飲んではなりません。
海水を飲ねば死期が早まる、それは愚かな行為なのだから。
血液などすべて、ヒトの体内の塩分濃度は0.9%です。
人が生きるには、この塩分濃度が保たれなくてはなりません。
ところが、海水の塩分濃度は3.4%。
ヒトの体内の数倍の塩分濃度です。
ヒトが海水を飲むと、体内の塩分濃度が高まります。
この塩分を薄めようと体内の調整機能が発動して、脱水症状を起こします。
海水浴中であれば、海水を飲んでも水分の補給ができます。
しかし漂流中はそうはいきません。
海水を飲めば飲むほど、脱水症状が進みます。
この脱水症状で、さらにのどが渇きます。
そして、さらに海水が飲みたくなり、海水を飲み続けて死に至ります。
脱水症状に最も弱い体の器官は脳です。
脱水症状で意識は混濁し、幻覚を見始めます。
自制心も利かなくなり、さらに海水を飲めば、残された選択は死しかありません。
生命は海から生まれました。
しかしヒトは陸に上がり、海水を飲めず、海に溺れる生き物になりました。
今も様々な天災に、ヒトは苦しめられ続けています。
それでもヒトは厳しい環境の陸に住むしかありません。
海を捨てたヒトの生き方を、海は許してはくれないから。