2021/07/13(火)00:00
ただひたすらに、セミは鳴く
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先日、地面に落ちたセミを見た。
このセミの夏は、早くも終わりを迎えてしまったようだ。
セミのオスは一度しかない夏を、叫ぶように鳴き、終えてゆく。
セミの鳴き声は、音量で70~80デシベル。
鳴き声と体のサイズの差で比べると、
セミは最も鳴き声が大きい生物になる。
大きな鳴き声は、腹部の共鳴室で作られる。
セミの腹部はほぼ空洞で、共鳴で大音量を生み出すためにある。
しかし、ここで疑問がある。
セミの耳(鼓膜)も腹部にあるのだ。
これではセミは、鼓膜が壊れてしまうだろう。
それには、ひとつ工夫がある。
セミのオスは鳴く時、鼓膜の働きを止めているという。
自身の声さえ聴かず、ただ鳴き続けているセミ。
あまりに愚かに思えるその行いは、その運命を忘れるためだろうか。
この短い夏が、自身に残された最期の時ということを。
セミは”鳴く”のではなく、本当は”泣いて”いるのではないだろうか。
【 わらび餅 水まんじゅう 】
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