陶磁器と ガラスと 銀器と - 万博 -
陶磁器の歴史に、万博は大きな影響を与えました。今日のお話は、西洋陶磁器と万博の歴史。【ヘレンド】1851年のロンドン万博。この万博でヘレンドはヴィクトリア女王に認められ、御用達となりました。この時、コーヒーセット「ヴィクトリアヒストリック」が作られました。1867年のパリ万博。ナポレオン3世の妃ウジェニーに、ディナーセット「インドの華」を買い上げられます。【ミントン】1851年ロンドン万博。ミントンも、青と緑の2個の巨大な花瓶を出品します。【ウェッジウッド】1851年ロンドン万博には、やはり大きな花瓶を出品しています。ロンドン万博には、ジノリの出品しています。いずれも、日本が始めて出品した1867年のパリ万博、そして薩摩・伊万里が大成功した1878年のパリ万博以前の話。【バカラ】ガラスのバカラは、1855年パリ万博でグランプリを獲得します。さらに1867年パリ万博には、高さ7.3mの大噴水や重さ100キロのシャンデリアを展示。作家ジャン・バティスト・シモンがデビューします。そして再度、グランプリを受賞。さらに1878年も、ジャポニズムを取り入れた作品を出し、三度グランプリを受賞します。【クリストフル】1855年パリ万博に、銀器を出品。グランプリ獲得。ナポレオン3世は、1,200人分の銀食器をクリストフルに注文します。1867年パリ万博に小サロン出展、1878年パリ万博でジャポニズムの作品を展示します。万博と深い関わりのある、西洋のメーカ。それにしても、1878年パリ万博のジャポニズムの過熱ぶりが偲ばれます。今日は、ちょっと変わったお話でした。でもたまには良いでしょう。ここは、西洋陶器のブログなのですから。【参考図書】 久島伸昭:「万博」発明発見50の物語,講談社,2004年,246P