モシュブシュ
------------------------------------------------------------ペキニーズの犬離れっぷりはシャレになってない。まず名前。ペキン原産だからペキニーズ、だと思ってたらそれだけじゃない。ペキンのどこかって言うと、清の皇帝の袖の中。皇帝が袖の中に入れっぱなしにしておくために品種改良した犬。この時点でもう常軌を逸してる。なんたって袖の中で飼うための犬だから、自分の力で走れない。っていうか四本足で歩くのもおぼつかないで、匍匐全身で一日3メートルくらいずつ動く。あとは寝てる。普通の犬と違って、飼い主が呼んでも走ってこない。腹ばいで寝てたと思ったら、犬のクセに寝返りを打つ。そんで仰向けで熟睡。あと顔。犬らしさが微塵もない、お鼻のお潰れさん。目と鼻がひっついて濃縮されてる。頭蓋骨が特殊な形なので、歯が全然かみ合ってなくて、舌がはみ出でてる。でも恐れ多くも帝室の犬なので、おヨダレは垂らさない。そんで小さくて長毛種だから、寝てるところを後ろから見ると、ペルシャ猫かなんかにしか見えない。毛も犬みたいにゴワゴワしてなくて、ほんとに猫みたいなふんわり細毛。そんでボールとかにじゃれてると猫にしか見えない。しかも吠えない。っていうか、鳴き方がよく分かってないらしく、鳴けない。仕方ないから「ブシュ、モシュ」って何か空気が漏れてる。自分を人間だと思ってるのか、ときどき「モシュ、ヒシュブシュ」とか何か呟いてる。これはパグと一緒。たぶんパグとペキニーズの共通言語。そんなペキニーズの可愛らしさを、お前らもっと思い知るべきだと思います。モシュブシュ。