着慣れない5部袖のシャツ、紺色のスカート、ヒール。着慣れない履きなれない格好で、
私は一人家を後にしました。3時半から裁判は始まります。10分前に到着し、待合場所で待機していました。もう4回目にもなると若干緊張は少なくなりますが、回数を重ねるごとに、その日だけは特別気合いが入ります。今回も電話裁判です、電話裁判とは遠距離の被告、または原告と特殊なスピーカーとプシュボタンを使用して行われます。
定刻時刻より5分程遅れて、裁判は始まりました。まずは私の提出した上告書(意見書のようなもの、被告に対しての)についてその返答について審議されました。
私の上告書の内容はざっと、「一度群馬に来てほしい立派なご両親や代理人がついているのだから一人で来てくださいとは言いません、一度群馬まで来て距離を体で感じてほしい。
私が土下座をしたように、被告にも群馬の土に頭をつけてほしい、そして家族、友人、お世話になった人に謝罪をしてほしい・・・。人間の価値は体の経験の数ではきまりません。もっと自分を大事にしてください。」と、いった感じです。
上告書は被告父に手渡されたそうです。そして被告はバイトをしていたが、神経衰弱になったので群馬にいくのは無理、そして神経衰弱になったことを私や、不貞行為を供に犯した人の
責任と、言ってきたので、私は「神経衰弱になったのは自業自得だ人の責任にするのも休み休みにしてほしい」と反論しました。
「反省を求めても無理、被告は甘えているから」と、裁判官は半ばあきれて言いました。
私は裁判官に思い切って発言しました、私に時間をくださいと言い、私のこれまでの思い、
現在の私の体調や精神的なこと、眠れないくらいにこの問題に悩まされている、などなど
後悔のないように、伝えました。被告のその他に伝えていなかった行動についても触れさせてもらいました。大げさかもしれないけど私にとっては命懸けです。これは修羅場、女の地獄、
同情の余地のない無情の世界です・・・。私には、私を守ってくれている人たちがたくさんいる。
私はその人たちのためにも弱々しくても飛び込んでやるべきことを探し、実行したい。
でも、すべて自分の思い通りにならないことも十分わかっています・・・。
裁判官は「2つの選択があります、1つ目は本裁判、(テレビで出てくるような場所で行われる
裁判、裁判官は黒いマントを羽織りでんと座っている)あなたにも証言台になってもらい証言してもらいます、傍聴人もいます。被告は恐らく出廷せずに行われますが、あなたは証言台で発言できますか?」と、尋ねられたので、私は頭を縦に大きく振りました。
「2つ目は、被告の代わりに被告の父に群馬に来てもらい謝罪してもらう。
このどちらかです。でも、1つ目は恐らくあなたの一人相撲になるでしょう」と、言われました。
私は証言台に立ち発言する覚悟は出来てます。
2つに1つです・・・・。
今月の下旬くらいまでに私の意志で決めてほしいと言われました。(本裁判は、一人相撲を取るだけなので、時間の無駄だからあまり勧めたくない様子・・・)
今日はこんなところで終わりました。
本来ならば30分程度で終了するところを1時間オーバーしてしまいました。
私は自分が納得するまで、裁判官の発言や被告側の発言に対してて徹底的に質問しました。
馬鹿だと思われてもいい。後悔はしたくない、少しでも後悔は少なくしたいから。
(迷惑をかけたとは思いますが・・・)
弁護士先生も一人相撲を取ることになるであろう本裁判を余り勧めたくないようでした。
でも「あなたの気持ちに任せます。」と言われました。
先生は私の強い気持ちに気付いてくれたらしく、先生自身の話をしてくれました。先生も離婚しているらしく1,2年はお酒に明け暮れたりしていたけれど、仕事をしたり、ジムに通ったりしているうちに過去の楽しい思い出の枠から抜けることが出来たそうです。
こにーさんの今の気持ちがとてもよく分かります。だけど、病気を早く治して生きてください」
先生は言いました。私は鼻がつーんとして涙が出そうになったけどこらえました。
「神様やご先祖様は必ず守ってくれるから」先生の口からこの言葉が出たのが意外でした。
今日は裁判所に夕日がさす事はありませんでした・・・。
大和に寄って、運転する帰り道、私は2つ目の選択を考えていました。
涙が溢れてきて大声で叫んでいました。
喉が痛くなるまで泣きながら叫びました。
叫んでも叫んでも涙は止まりません。
どんなに泣いても、叫んでも、わめいても何も戻ってきません。
だけど、今はこれしか出来ないから・・・。
裁判所の廊下は初夏なのに、なんだかひんやり冷めてました・・・。