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カテゴリ:物語
「よう、仁、久しぶり! オメェがいないと、この教室も 静かで、よく勉強ができたぜ!」 教室に入って、すぐ声をかけてきたのは、聖だった。 「何言ってんだ、お前から勉強なんて言葉、聞きたくネエぜ、なぁ、仁。」 俺が、答える前に、雄一が聖の頭を教科書でひっぱたいていた。 「いてぇなぁ」 聖は、雄一を軽く睨んで、大げさに頭を押さえた。俺は、その横を すり抜けて、自分の席に座り、前の席の淳之介に声をかけた。 「淳之、元気だったか? 聖になんか言われなかったか?」 「なんだ、また俺かよ。お前が来ると、うるせぇなぁ。」 聖は雄一の肩に手をかけて、笑いながらむくれ声で言った。 淳之介は、ふりむいて、ニコニコと笑った。淳之介は、 優しすぎて、気が弱くて、俺がいないと皆となかなかしゃべれない。 体はでけぇのに、前の学校じゃいじめられていたんだ。 勉強がよくできて、かっこよすぎるのが原因のひとつらしい。 いじめられたことは、あんまし詳しく話したがらない。ノートを 俺に渡しながら、淳之介は、笑顔だった。 「仁くん、これ、休んでる間のノート。」 「サンキュー!! よかった。今度また、カラオケ行って騒ごうぜ!」 「なんだよ、お前達だけでカラオケ行ったのかよ。ずりぃな。」 「あぁ、わりいかよ。俺と淳之は、ダチなんだよなぁ。」 「はぁ~っ?なに、言ってんの。おめぇら・・・。」 聖が横からっちょっかいをだしてきた。俺たちがワイワイ話していると 「席につけ!聖、うるさいぞ。」 (気まぐれに続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.01.21 22:22:42
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