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カテゴリ:トミックス
今年で国鉄分割民営化から30年が経過しました。国鉄末期の1980年代に入ると,赤字ローカル線の第3セクター化が開始されました。これを受けNゲージの世界でも,早速,第3セクターのカラフルな気動車等が製品化されます。 ![]() (機芸出版社「NゲージマガジンNo.3」より第3セクターのレイアウトのすすめ) まず,トミックスは,富士重工のレールバスLE-Carをモデル化。 富士重工オリジナル,樽見鉄道,北条鉄道,三木鉄道の各カラーが発売されました。ただし,厳密には,窓の配置等が一致するのは樽見鉄道のみであったため,北条,三木は「タイプ」とされています。あわせてオハ35系客車の樽見鉄道カラーも発売されました。旧型客車と派手な塗装とのミスマッチが魅力的な製品です。 樽見鉄道はその後も製品化に恵まれ,TDE11形(国鉄DE11形)・14系客車(2006年・マイクロエース),ハイモ295形(2010年・トミックス),ハイモ230形(2012年・鉄道コレクション15弾),TDE11形(国鉄DE11形)・14系客車(2014年・トミックス),ハイモ330形(2015年・トミックス),ハイモ295形プラレールラッピング(2020年・トミックス)といった製品が発売されています。 ![]() (機芸出版社「NゲージマガジンNo.7」より樽見鉄道の紹介) なお,ハイモ180はその後キット形式となり,樽見鉄道,三木鉄道,そして樽見鉄道からハイモ180形を譲渡された有田鉄道のデカールが入った未塗装キットとして発売されています。 トミックスからは,LE-Carとほぼ同じ頃,三陸鉄道36形が発売されました。後年,実車に合わせて冷房化された姿となり,白を基調とした当初のカラーに加え,更新色(赤色基調),更新色(青色基調),「さんりくしおかぜ」といったバリエーションが展開されます。 周知のとおり,2011年には,東日本大震災により三陸鉄道も大きな被害を受けましたが,全国ひいては海外からも様々な支援が行われました。Nゲージの世界でも,トミックスから,復興応援商品として「鉄道むすめ」のヘッドマークが付属した限定品が発売され,売り上げの一部が三陸鉄道に寄付されました。また,ネスレ日本が中心となった復興応援ラッピング車両「キット、ずっと号」,「キット、ずっと2号」,「キット、ずっと3号」もトミックスからNゲージ化されました。 さらに,2013年度上半期に放送されたNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する「北三陸鉄道」(もちろんモデルは三陸鉄道)の車輌として,「北三陸鉄道」お座敷車両,「北三陸鉄道」標準色,「北三陸鉄道」お座敷車両Ⅱといったバリエーションが発売されました。 これら「北三陸鉄道」の製品は,展示用レールが付属するなどディスプレイモデルとして鉄道模型ファン以外の新たな客層にも受け入れられるように工夫されていました。その他,2014年には鉄道コレクション19弾で36-500形が,2015年には36-700形がトミックスから発売されています。2020年には36-700形の「岩手県×イシツブテ」 ラッピング列車,#Thank You From KAMAISHI ラッピング列車が製品化されました。 ![]() (ネコ・パブリッシング「Nゲージ大図鑑2015」より「北三陸鉄道」の製品紹介) 一方,カトーからは,鹿島臨海鉄道・大洗鹿島線(鉄建公団建設線を継承)の開業時に導入された新車・6000形が,カトー製造,鹿島臨海鉄道発売という形で1985年にNゲージ化されました。 その後6000形は長年再生産がなく,かなりプレミアムがついていましたが,2014年にカトーから再発売されました。さらに,カトーでは,2015年には新塗装を製品化したほか,沿線を舞台としたテレビアニメ「ガールズアンドパンツァー」のラッピング列車も製品化しています。 ![]() (機芸出版社「NゲージマガジンNo.3」より,トミックスのLE-Carとカトーの鹿島臨海6000形) 鹿島臨海鉄道のNゲージ製品として古くから有名なものに,やはりカトー製造,鹿島臨海鉄道発売とされたキハ1000形タイプがあります。これは,大洗鹿島線とは別に,1978年から1983年にかけて旅客輸送を行っていた鹿島臨港線に投入されていたキハ1000形(国鉄キハ10形塗り替え)をモデル化したもので,旅客輸送開始1周年を記念して1979年に発売されました。模型はキハ20の塗り替えであったことから,実車とは若干相違がありましたが,1979年当時,こうした製品はかなり貴重なものであったことでしょう。なお,2006年にはトミックスから,キハ10系シリーズのカラーバリエーションとして,「タイプ」ではないキハ1000形の2両セットが発売されています(限定品)。 また,カトーでは,1986年,DD13形ディーゼル機関車のカラーバリエーションとして,鹿島臨海鉄道,鹿島鉄道,神岡鉄道の各色を製品化しています。特に神岡はプレミアムがついているようなので,KM-100形気動車とあわせて,あらためて製品化してくれると嬉しいのですが…。 他には,大洗鹿島線開業時に国鉄から譲り受けたキハ20形を塗り替えたキハ2000形が,鉄道コレクション13弾として2011年に製品化されています。2019年には,やはり鉄道コレクションから8000形が製品化されました。 ![]() (ネコ・パブリッシング「Nゲージ大図鑑2015」より。分かりにくいが,カトーの鹿島臨海6000形と,鉄道コレクションの2000形が編成を組んでいる) 他には,2009年には,展望ラウンジを備えた7000形のNゲージ模型が,ワールド工芸製造,鹿島臨海鉄道発売という形で製品化されています。あとはペアーハンズから発売されていた,6000形のエッチングキットくらいでしょうか。 ![]() (RMモデルズ2005年10月号より。ワールド工芸の鹿島臨海7000形) LE-Carや三陸,鹿島臨海といった製品が,国鉄一色のレイアウトに彩りを添えていた30年前,今日のように,地方私鉄や第3セクターのNゲージ製品が充実するとは,想像もつかなかったことと思います。それら旧製品と「あまちゃん」や「ガールズアンドパンツァー」といった新製品を並べて遊ぶのも一興ではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.01.27 00:22:05
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