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カテゴリ:トミックス
レイアウトのメンテナンスは,長年モデラーを悩ませてきた課題のようです。 Nゲージでは,ドイツ・フライシュマンの古典電気機関車が,比較的古くからある製品として有名です(TMS323号(昭和50年5月号)参照)。 国内メーカーのNゲージで初めて量産製品として発売されたクリーニングカーは,昭和56年にトミックスから発売された193系レールクリーニングカーです(注)。車輪にヤスリを装備し,レイアウトを走行するだけでレールの表面を研磨できるという画期的な製品でした。 ![]() (トミックス・193系レールクリーニングカーの広告) ![]() (TMS323号(昭和50年5月号)より,ドイツ・フライシュマンのレールクリーニングカー) ![]() (TMS513号(平成元年4月号)より,長澤速人・大次郎両氏のレールクリーニングカー) ![]() ![]() (TMS506号(昭和63年10月号)より,亀井良雄氏のレールクリーニングカー) ![]() (TMS581号(平成6年2月号)より,亀井良雄氏のレールクリーニングカー) 193系は,実車が昭和55年に登場したばかりの,当時最新の電気検測車で,線路を守るという使命といい,高運転台のカッコイイ「特急顔」といい,レールクリーニングカーにぴったりの題材で,これを選んだトミックス開発陣の方々のセンスが光っているといえるでしょう。日本模型新聞鉄道模型版38号(昭和56年9月)でも,「アイディアたっぷり、実用性たっぷりのクリーニング機能をもたせた上、車種的にも極めて個性あるこのクモヤ193系の登場、珍しさ、面白さも加わって、Nゲージ鉄道模型にいまひとつの楽しみを加えると共に、レイアウト製作には欠かせない実用車両ともなろう。」と称賛されています。 その後,トミックスでは平成12年に,乾式(ヤスリ),湿式(布),吸引という3つの機能を兼ね備えた画期的製品,マルチレールクリーニングカーを発売しました。まず,青,スケルトン,2000年記念限定塗装(オリエント急行風)の3色が発売され,その後も,様々なカラーバリエーションを展開。英国Dapol社からも,大きな弟というべきHO/OOゲージ用が発売されています。 マルチレールクリーニングカーの登場により使命を終えた193系については,平成14年にはクリーニング機能を廃し塗色を変更した443系タイプが,平成15年にはクリーニング機能なしの193系が発売されました(クリーニング機能なしの193系は,昭和57年にも一度製品化され,その後絶版となっていたので,実質的には絶版品の復活ということになります。)。 443系タイプは塗色を変更しただけなので,パンタグラフ周辺などが異なっていますが,雰囲気は十分に出ており,私は大変好きなモデルで,鉄道コレクションの富山地方鉄道などと一緒に楽しんでいます。なお,実車では443系の方が193系より10年早く登場しており,模型とは逆に443系の方が先輩となります。 なお,トミックス以外にも,Nゲージのレールクリーニングカー製品としては,平成15年に,マイクロエースがクリーニング機構を搭載したマヤ34軌道試験車を発売しています。他にも,津川洋行の「ソフト君」,ペアーハンズのマヤ34などがありました。 ![]() (Nゲージ・ニューモデルス2003(ネコ・パブリッシング)よりマイクロエースのマヤ34) (注)平成24年にマイクロエースから193系50番台が発売されていますが,これは交直流用の495系を出自とする車両で,トミックスの0番台とは全く異なる外見です。なお,TMS400号(昭和56年4月号)では,羽田二郎氏が,カトーの153系を大改造した495系を発表されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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