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カテゴリ:サクラ・トレーン
今回と次回は,サクラ・トレーンの各種玩具を取り上げたいと思います。 サクラは,自社ブランドの「サクラペット」や,ヨネザワの「ダイヤペット」でダイキャスト製ミニカーを多数製品化していました。特に,1970年代後半のいわゆるスーパーカーブームでは,ランボルギーニなどの1/43ミニカーが大ヒットとなっています。 ※サクラペット,サクラカーについては,「ミニチュアカー考古学」等にもほとんど記述がなく,資料が乏しい状況です。品番や発売時期など,情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら,ご教示いただきたいと思います。 ![]() (玩具商報449号(1974年7月1日号)より) <サクラペット HOゲージ> ミニカー「サクラペット」は,1973年3月に発売開始されました(玩具商報446号(1974年5月15日号)69頁,トイズマガジン1976年8月号146頁参照)。サクラペットに鉄道モデルが登場したのは翌1974年で,玩具商報449号(1974年7月1日号)159頁では,以下のように紹介されています。 「今までミニカーだけだったサクラペットモデルシリーズに,鉄道シリーズが加えられ,東海型電車(写真)が発売された。HOサイズの本格的なダイカスト製鉄道モデルで,色も実物色,ドアもオープンし,中にはちゃんと座席まで付いていて,子どもから大人のコレクターまで広く楽しめる・・・同シリーズには,このほかに,国鉄電車,地下鉄電車が同時発売されたが,従来のダイカストミニカーに加えて鉄道ものの新需要層を開拓しそう。」 ダイヤペットの1/200鉄道モデルが発売されたのが1974年7月(「ミニチュアカー考古学」参照),ダイカスケール鉄道シリーズの発売が1974年8月(玩具商報掲載の広告による)ですから,1974年は日本型ダイキャスト製鉄道モデルにとって画期的な年であったといえるでしょう。 玩具商報掲載の広告によれば,当初のラインナップは,以下のとおりです。なお,HOゲージは,ドアが1カ所(先頭方向左側)開閉するギミックが備えられていました。 ・24cmシリーズ 200 東海形電車,201 国鉄電車(※103系低運),202 地下鉄電車(※東海形電車を丸ノ内線色に),203 特急形電車(※ボンネット特急) ![]() (上からNo.200 東海形電車,No.201 国鉄電車,No.217 EF66電気機関車) ・18cmシリーズ 204 東海形電車,205 ひかり号,206 修学旅行(※東海形塗り替え),207 食堂車(※東海形塗り替え),208 電気機関車(※車番はEF60 15) ・連結36cmシリーズ 209 ひかり号2輌連結(※18cmシリーズ2両) 後に,211 超特急ひかり号レールセット(18cmシリーズ2両+レール。動力なし),213 ひかり号中間車(18cmシリーズ),東海形電車中間車(18cmシリーズ。品番不明),216 ひかり号(24cm?),217 EF66電気機関車,246 ちんちん電車などが加わっています。 [追記]No.246 ちんちん電車は,後に品番4010に変更されています。 都電7000形をモデルとしており,雑誌「高速有鉛」40号でも紹介されています。 バリエーションとしては,当初の赤帯,荒川線ワンマン化後の青帯,名古屋か京都をイメージした?クリームとグリーンのツートンカラーがあり,青帯は都電7000形更新車を意識したのか前面窓が一枚窓に改修されています。 ![]() (玩具商報453号(1974年8月臨時増刊号)より) ![]() (月刊ミニチュア・カー1975年1月号より) <No.200「通勤形電車」> サクラペットのNo.200「通勤形電車」は,16.5mmの線路に一応乗せることができますが,台車は首を振らず,ドア開閉アクションもないなど,HOゲージシリーズとは異質の製品となっています。 ![]() ![]() ![]() ![]() (No.200 通勤形電車。HOより小さくNより大きいという不思議な製品。軌間は16.5mm) <サクラペット ミニシリーズ> サクラペットには,ミニモデル7.5cmシリーズがありました。これは,軌間9mmですが,車体はNゲージよりずいぶん小さくなっています。ラインナップは,以下のとおりです。 211 ひかり号,222 東海形,223 国鉄電車,230 国鉄電車,231 東海形電車,232 ひかり号,233 ひかり号中間車,234 地下鉄電車(※103系を丸ノ内線色に),240 国電4輌連結,241 東海形4輌連結,243 ひかり号4輌連結,257 急行電車(※東海色2輌),258 急行電車(※スカ色2輌) ![]() (玩具商報461号(1974年12月1日号)より) ![]() (サクラペット ミニシリーズ。車高,幅などNゲージよりずいぶん小さい) <サクラペット D51> 軌間は9mm。縮尺は約1/130で,改修の上,現在もトレーンから販売されています。 ![]() (トイズマガジン1975年8月号より。右下に見えるのがD51) ![]() (サクラペットNo.244「D-51774 蒸気機関車」) <強合金サクラカー> 軌間9mmで,車体はショーティながら,サクラペット ミニシリーズより一回り大きく,よりNゲージに近いスケールとなっています。0系,103系低運,D51,都電7000形,電気機関車がありました。特筆すべきは,「私鉄線」と称する103系低運の塗り替え製品で,京成,東武,西武,小田急,京王,東急,京急,相鉄といった各私鉄のカラーが製品化されていました。 (追記:「強合金」との名称は明らかに,1974年から発売されたポピーの「超合金」に倣ったものでしょう。サクラでは「ダイガスト合金 ザクラマン」というロボット玩具も発売していました) ![]() ![]() (強合金サクラカー。上からNo.222 ひかり号,No.226 ちんちん電車,No.280 私鉄線,No.227 中央線,No.228 山ノ手線,No.229 総武線。この他にNo.260 京浜東北線も製品化されていた) ![]() (電気機関車もあった。下回りは他の製品と同様) <番外編:ブリタニカ> ここで,サクラペットにそっくりな製品をご紹介したいと思います。 ミニカー5点セットで,車2台,飛行機1機,ボート1隻,電車1両となっており,電車はご覧のとおり,サクラペット・ミニシリーズの東海形電車に酷似しています。バスはトミカの三菱ふそう 東名高速バス(1973)にそっくりです。箱には「乗り物遊び」とあるだけで,STマークや価格の表記等は一切ありません。裏板には「ブリタニカ」と刻印されています。TBSブリタニカ(1972年からブリタニカ百科事典日本語版を刊行)の販促品だったという情報もありますが,未確認です。 ![]() (ブリタニカ「乗り物遊び」) <パーコンシリーズ> 1975年に発売された「パーコンシリーズ 新幹線ひかり号レールセット」は,「強合金サクラカー」の0系を動力化したもので,軌間9ミリの線路から集電して走るようになっています。軌間9mmの0系電動モデルとしては,トミーOOOゲージ(1964),多田製作所のロコメート(1967)に続き,3番目の製品となります(車体に乾電池を搭載するシズキョー製品(1964)を入れれば4番目)。なお,サクラでは後に,バンダイから発売されていた香港・プレイアート社製のHOゲージ0系セットを発売しています。 ![]() (パーコンシリーズ 新幹線ひかり号レールセット。乾電池式のパワーパックにより線路に電流を流し走る) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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