真田プラスチック工業所のNゲージ
東大阪市にある玩具メーカー・真田プラスチック工業所(おもちゃのサナダ)は,「ユカちゃん」のままごとシリーズで有名ですが,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具もいろいろ製品化しています。そこで,今回は,鉄道玩具を中心に,私の手元にある真田製品を一挙にご紹介したいと思います。(扇にSP(サナダ・プラスチック)のマーク)(玩具商報1972年7月15日号より。「創立十五周年 新社屋完成 ご挨拶」の広告) まずは,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具から。「D51デゴイチ組立セット」 D51とダブルルーフ旧型客車1両が,組み立て式キットとしてパッケージされています。 縮尺は1/130です。私の手元にあるモデルはオーソドックスな黒とぶどう色ですが,カラフルなモデルもありました。(レイルマガジン2003年6月号より。真ん中のスペースには信号機が入っていた)「D51のりものセット」 D51とダブルルーフ旧型客車1両のセット。縮尺は1/130です。(まんだらけZENBU No.94より)(玩具商報1975年1月号より。D51のりものセットが広告に登場する)「銀河特急」 583系2両のセット。同じ商品名で,0系や485系もどきのセットもあったようです。 また,0系や485系もどき4両を入れた長いパッケージもあったようです。(商品名不明) シルバーメタリックのD51とダブルルーフ旧型客車,0系,103系もどきが入っています。切符や鋏,笛は入っていません。 商品名の記載が一切ない謎のセットです。余談ですが,シルバーといえば,KATOのC62贈答用銀塗装を連想しますね。「レジャーセット」残念ながら未入手です。(まんだらけZENBU No.94より)(玩具商報1975年9月号より。レジャーセットが広告に登場する)「メタリックD51・機関車」(トヤマツヤマという会社から発売されたシルバーメタリックのD51と客車。パッケージデザインはウッド時代のダイカスケールを連想させる)[追記]上記「メタリック D51・機関車」の発売元について「トヤマ」と記載しておりましたが,「ツヤマ」の誤りでした。訂正しお詫び申し上げます。なお,「ツヤマ」は大阪市鶴見区にあった会社で,下記の「ひかり号・国電セット」を発売していた「ツヤマ玩具」(東京都墨田区)とは異なる会社のようです。「ひかり号・国電セット」(ツヤマ玩具から発売された「ひかり号・国電セット」。ツヤマ玩具のロゴの上からサナダのSPマークのシールを貼ったバージョンもある)「のりものキップあそび」 0系2両と103系もどき1両のセットです。 私の手元にある製品は,裏面に「新幹線 東京~博多間が開通しています。また現在,東北,上越,両新幹線の工事がすすめられています。」との記述があるので,博多開業(1975年)以降,東北・上越新幹線開業(1982年)以前の製品ということになります。さらに,セットの「こども鉄道局」発行の切符に「53.-9.」とあるので,1978年の製造分とみてよさそうです。「東北上越新幹線開通記念」と同一のパッケージです。「東北上越新幹線開通記念」とあるので,1982年頃に販売されていたものでしょうか。日銀券が1984年の図柄変更前のものとなっています。箱がありませんが,ボンネット特急も製品化されています。 100系2両のセットです。 私の手元にある製品は,「こども鉄道局」発行の切符に「のぞみ」とあるので,1992年以降に製造されたものということになります。 485系もどき2両のセットです。 私の手元にある製品は,「こども鉄道局」発行の切符に「スーパー雷鳥 サンダーバード1号」とあるので,1995年以降に製造されたものということになります。 その割には,ヘッドマークがL特急「やまびこ」になっているのが,時代錯誤です(笑)「トレーンセット」 100系2両と103系もどき1両のセットです。箱入りの「のりものキップあそび」と異なり,ビニール製のパッケージとなっています。雑誌「鉄道おもちゃ」第1号では,当時,大阪にあった交通科学博物館の売店で取扱われていたことが紹介されています。 なお,同種のパッケージで「レジャーパック」「トラベルパック」「L特急セット」等の名称で販売されていたものもありました。 また,「トレーンセット」には,「SP」の真田プラスチック工業所のロゴマークに代えて,鬼怒食品KKのロゴが印刷されているものもあります。(鬼怒食品KKのロゴマーク)「トラベルパック」「トラベルパック」には,真田プラスチック工業所のロゴマークは入っておらず,笛には「中」の字が刻印されています。また,103系もどきも妻面が前後逆となっているなど,不思議な製品です。「ゴー!ゴー!トレインあそび」 100系2両と485系もどき2両,103系もどき1両が入った豪華版セットです。 なお,ヘッドマークは相変わらずL特急「やまびこ」です(笑) パッケージには真田プラスチックの看板娘,ユカちゃんが登場します。 裏面にE3系量産車が登場しますので,1996年以降の製品ということになります。「電車シリーズ」 車両1台に紙製の標識,切符が含まれています。 発売元は,千葉県松戸市の(株)ヤマキとなっていますが,ヤマキのシールを剥がすと,真田プラスチックのロゴが印刷されています。シールには「ごいしガム1個入」とあるので,カバヤのマジョレット製ミニカーのように,スーパーで食玩として販売されていたようです。私の手元の箱には,イトーヨーカドーの「\185」のシールが貼られています。 箱には,ラインナップとして「富士 EF65/国電 モハ103/ビスタカー 30000系/ひかり 21 1000/白鳥 クハ183/はつかり クハネ583/やまばと クハ481」が記載されています。私の手元にあるのは,0系の先頭車,中間車,0系(緑)の先頭車,中間車,485系もどきの先頭車,中間車,583系の先頭車,中間車です。したがって,ラインナップのうち,EF65や103系,ビスタカーは手元にありません。中でも特に興味深いのが「富士 EF65」ですね。これまでに真田製のEF65は見たことがありませんので・・・。 電車シリーズの485系もどき。赤帯は暗褐色のものと鮮紅色のものがある。[追記]謎の100系新幹線こちらの100系新幹線もどきは,先頭部がトレーンの100系に,側面と中間車は真田の485系もどきにそれぞれ酷似しています。真田ではこれとは別に100系を作っており,全く謎のモデルです。どなたか情報をお持ちの方,お待ちしております。[さらに追記]謎の100系新幹線の正体この謎の100系は,墨田区の玩具メーカー,(株)ヒーローから発売された「たのしいしんかんせん」に含まれていたものです。100系3両のほか,こども銀行券・硬貨,キップ,鋏,笛,腕時計が含まれていました。(株)ヒーローは,(株)ザ・アクセスの関連会社で,変形ロボ「攻速機動ゼロシーダ」シリーズで有名なようです。(謎の(株)ヒーローの100系新幹線)(真田の100系との比較。真田製品とは異なり,車輪にフランジはない)「ビスタカーセット」 近鉄30000系の4両セットです。 「日本子供鉄道」のキップや笛,鋏がセットされています。 なお,「ビスタカーセット」とよく似た,高橋商店の「阪急電車」「近鉄新特急」「京阪特急」「南海空港特急」や,ニシノの「マリンライナー」には,真田プラスチックのロゴがありませんので,真田製品ではないと思われます。以下,軌間9ミリのプラ製鉄道玩具以外の製品をご紹介します。「義経号」「弁慶号」 立体パズルのようなプラ製の機関車1両と客車2両で,これまでご紹介したスケール志向の玩具と異なり,かなりデフォルメされた形態となっています(軌間9ミリではありません)。 ケースには「おみやげ」とあり,ケースはみかんを入れるような網に入れられています。この製品は真田製品の中でもかなり古いもので,玩具商報1969年9月15日号の広告で確認できます。 なお,札幌市の古谷製菓から,「ニコニコポッポー フーセンガムつき」として,義経/弁慶号にガム1個を付けて販売されていました。また,古谷製菓からは,「超特急型フーセンガムつき」として,先にご紹介した0系2両にガム1個を付けた製品も販売されていました。(義経号,同客車のキット)(上記キットと同一の箱絵だが,箱は一回り小さい)「コンバットセット」 戦車,飛行機,軍艦,兵士等のミニチュアが多数入っています。「コンバットセット」 同一商品名ながら別物。「コンバット」 大きめのジープや戦闘機が入っています。「新コンバットセット」 戦車,飛行機,軍艦,兵士等のミニチュアとあわせて,「交通セット」と共通のトラックが入っています。「WATER-PLANE」 水上機の組み立てキットです。「ウルトラS.P号」「ウルトラS.P2号」 ウルトラセブンに登場するウルトラホーク1号,3号を模倣したと考えられる,飛行機の組み立て式プラキットです。「ミニミニ旅客機シリーズ」 パンナムのボーイング747と日航のコンコルド。組み立て式のプラキットです。 この他に,パンナムのボーイング727と日航のDC-8があったようです。 日航のコンコルド発注がキャンセルされるまでは,日航カラーのコンコルドの玩具,模型が多数製作されていました。「交通セット」 自動車4台(ハイエース救急車,フェラーリ・ディーノ,トラック2台)と紙製の道路標識がセットになっています。トラック2台の底には真田プラスチックのロゴの刻印がありますが,他2台にはありません。 大阪の会社らしく,箱絵には大阪府警のパトカーと「大阪-九州」と書かれたトラックが描かれています。また,この救急車をキット化した「救急車組立セット」もありました。 なお,これらのトラックは,TATSUMIYA TOYS(大阪の玩具問屋・辰巳屋のことか?)からも「トラックあそび」(ダンプ,タンクローリー,ミキサー車のセット)として発売されていました。「建設車シリーズセット」キャブは「交通セット」のトラックと共通です。「スーパーカー」 プラ製のミニカー4種で,スーパーカーブームの頃の製品と思われます。ランボルギーニ・カウンタック,ランボルギーニ・イオタ,ポルシェ・ターボ,フェラーリ・ディーノがあります。 フェラーリ・ディーノは先の交通セットの色違いです。「レスキューカーセット」6台入りの豪華なセットです。一番の目玉ははしご車でしょう。救急車やトラックは「交通セット」のものと同一です。はしご車は単品販売もありました。(真田プラスチック工業所の看板娘・ユカちゃん)