1/144の湘南モノレール
モノレールや新交通システムといった特殊な鉄道の模型が製品化されることは,さすがに少ないようですが,近年,フジミから,東京モノレール1000形やゆりかもめ7200系のプラモデル(いずれも動力なし)がNスケールで発売されていますね。さらに,東京モノレール10000形の発売も予告されています。また,ダイキャスト製のディスプレイモデルとして,京商から,小田急向ヶ丘遊園線500形の模型がNスケールで発売されています。この他,10年以上前にDDFが,Nスケールで東京モノレール2000形や多摩都市モノレール1000系のディスプレイモデルを製品化すると発表し,東京モノレール2000形は塗装済の試作品まで公表されていましたが,結局発売されなかったようです。[追記:やはり10年以上前,ゆりかもめ7000系のレジンキットがガレージメーカーのKEI’S CRAFTから発売されていました。]さて,今回ご紹介するのは,1/144の湘南モノレールのプラモデルです。私は中古で入手したので,付属のパンフレットはあいにく入っていませんでした。(湘南モノレール500形の動力付きプラモデル。縮尺は1/144とされている)RMモデルズ(00年8月号)で紹介されていますので,一部抜粋します。「今月のアイテムはけっこう来てます。なんと湘南モノレール株式会社謹製の,500形プラキット! スケールはNゲージ近似の1/144!! しかも自動往復の動力付き!!! 今回開業30周年記念で発売されたものですが,私が情報をキャッチした時には既に湘南モノレール(株)では完売済。『欲しい~ッ』と騒いでいたらなんと飯田橋の『のりもの倶楽部』さんで発売しているとのこと。早速2,500円で『御買上』となりました。さて,中身を見てみると… ン? なんで車体が1輌分しかないのだ? ご存じのとおり,500形は3連固定編成で,箱絵にも堂々と実物写真が使われているのですが,中身はまごうことなき『両運』の1台のみ。ここで『ダマされた~』などと思わずに,なぜか嬉しくなってしまう私はどこか病んでいるのでしょうか(笑)。ちなみに,スケール的にもかなり『おおらか』なモデルで,1/144と言えるのはかろうじて全長のみ。全幅と全高は恐らく動力の都合でかなりオーバーです。しか~し,そんなことはこのモデルの魅力を損なうものではありません!(キッパリ)。…」(RMモデルズ2000年8月号より)単5電池1本で駆動し,直線レールを往復するモデルとなっています。いずれ,この湘南モノレールを組み込んだNゲージレイアウトをつくってみたいものです。この他,モノレールのプラモデルとしては,以下のようなものがありました(日本プラモデル工業協同組合編「日本プラモデル50年史」及び岡田斗司夫「岡田斗司夫の絶滅プラモ大百科」参照)。いずれも発売は1960年代前半です。フジミの東京モノレール(1/80)と日本ホビーの東京モノレール(1/100)は,いずれも動力入りで,東京モノレール300形をモデル化しており,レイルマガジン143号で紹介されています(日本ホビーはパッケージのみ)。この他,尾高産業からは,1/120の東京モノレールが発売されていたとのことですが,詳細は不明です(日本模型新聞502号(昭和40年1月25日)に写真が掲載されていますが,小さい写真でディテールは判別できません)。私の憶測ですが,日本ホビー製品の再販かもしれません。(光文社「少年」1964年10月号より。日本ホビーの東京モノレール)日本文化教材(現・ブンカ)からは,「モノレール スカイライン」として上野動物園モノレールH形を両運化した車輌が製品化されており,今井科学からは,「モノレール マッキンレー」として,いかにも近未来的なデザインの自由形跨座式モノレールが製品化されていました。また,三和模型からも,「プロップカー・レール マッハ」として,豊島園にあった空中電車のような近未来的な自由形懸垂式モノレールが製品化されていました。姫路市営モノレールや,名古屋・東山動植物園のモノレールなど,最近は,かつての「未来の乗り物」モノレールの遺産が見直されていますので,新たなモノレールのモデルの登場に期待したいものです。(成美堂出版「日本と世界の鉄道模型カタログ 2004年版」より,DDFの東京モノレール2000形試作品)