115系のNゲージ
115系は,本州の各地に配属されており,活躍期間が長いため国鉄型からJRの最新型まで様々な車両と並べることができること,また,短編成でも長編成でも違和感がないことは,非常にNゲージ向きの車両といえるでしょう。ただ,古くからGMやトミックス製品があった113系に比べ,115系の製品化は1984年まで待たなければなりませんでした。(鉄道ファン1984年11月号より,カトーの115系・415系)<カトー>カトーは,1984年に115系を製品化。湘南色2000番台,身延色2000番台,スカ色1000番台が発売され,翌1985年には湘南色1000番台が加わっています。当時のカトー製品の特徴として,1000番台の雪切室のルーバーが印刷表現とされていたことがあります。Nゲージならではの割り切った表現といえそうですが,賛否は分かれるところでしょうか。湘南色1000番台以外は早めに生産休止となっていましたが,2003年に「特別企画品」としてスカ色と身延色が復活。ルーバーはモールド表現に改められました。トミックスに比べ,カラーバリエーションの展開は後発となり,2010年以降,新長野色,新潟色,新新潟色を製品化。また,2013年には非ユニット窓・低屋根の800番台スカ色を製品化したほか,300番台(湘南色,スカ色),しなの鉄道カラーなどのバリエーションが展開されています。最近では,しなの鉄道が復刻した湘南色,スカ色も製品化されています。<トミックス>トミックスも,1984年に115系を発売。湘南色の1000番台と,身延色の2000番台がありました。1998年の新長野色製品化を皮切りに,瀬戸内色,スカ色,旧長野色,身延色(茶),しなの鉄道カラー,新福知山色,旧新潟色,新潟色,新新潟色,コカコーラ塗装,中国地域色,懐かしの新潟色,新弥彦色,しなの鉄道旧長野色復刻版,しなの鉄道台湾鉄路管理局「自強号」カラーといった多彩なバリエーションを展開。2018年には,40N体質改善車(広島リニューアル色(通称:ミルクオレ),中国地域色(濃黄色。通称:末期色))を製品化し,GM完成品と競合しています。あとは,しなの鉄道の観光列車「ろくもん」の製品化を期待したいところです。<GM(グリーンマックス)>古くから111・113系を製品化してきたGMで初めて115系を名乗ったのは,1991年に発売された「111(115)系初期型」と「113(115)系量産冷房車」のキットでした。これらはいずれも,窓ガラスをハメコミとするなど,近代化されたキットとなっています。GMカタログに掲載された色見本のイラストや,作例写真に創作意欲をかき立てられた方も多かったのではないでしょうか。その後,2015年からは,同社は,完成品でJR西日本・広島地区や岡山地区の30N・40N体質改善車を発売しています。塗装は,関西リニューアル色(通称:カフェオレ),広島リニューアル色(通称:ミルクオレ),中国地域色(濃黄色。通称:末期色)のほか,サンフレッチェ応援ラッピングトレインが製品化されているのがユニークです。また,ラッピング車両として,SETOUCHI TRAINの製品化が予告されています。<WIN>キハ55や101系,103系を製品化したWINでは,2000年に113系,翌2001年に115系を製品化し,2~3年の間に多彩なカラーバリエーションを展開しました。115系では,湘南色,スカ色,新長野色,新潟試験色,旧新潟色,新潟色,新新潟色,新弥彦色,瀬戸内色,広島リニューアル色(ただし車体裾の茶色帯は省略),伊豆急200系(青,赤)がありました。<マイクロエース>マイクロエースは,2002年に115系を製品化。当時,1000番台一辺倒だった大手2社に対し,湘南色とスカ色を初期型で製品化。翌2003年には,3500番台瀬戸内色と3000番台広島快速色を製品化し,完成品初(現在も同社のみ)の2扉車となりました。また,同年のJAMでは,会場限定品として113系スカ色塗りと新潟試験色を製品化しています。その後,300番台(湘南色,スカ色,新長野色,「こんぴら」号),3000番台(瀬戸内色),3500番台(湘南色),2000番台・3000番台30N更新車(広島リニューアル色,中国地域色),500番台(旧弥彦色)などを製品化。伊豆急200系も,青,赤に加え,トランバガテル色も製品化されています。最近では,踏切事故対策が施された湘南色「鉄仮面」を製品化しているのが,マイクロエースらしいですね。以上のほかに,トミーテックの鉄道コレクションでは,第9弾で旧型国電の更新車である62系を,第24弾でJR西日本の113系改造車をそれぞれ製品化していますので,いずれ115系も製品化されるかもしれませんね。