TMSに見るNゲージの歴史 車両や建物の自作
以前,TMSに掲載された初期の自作Nゲージ車両として,池末弘氏らの作品をご紹介しました。池末氏と並んで,Nゲージで蒸気機関車を多数自作された方として,平石久行氏がおられます。平石氏は,TMS226号(1967年4月号)で6250,8550,4030,247号(1969年1月号)では2800,8800,281号(1971年11月号)では2120といった古典機を発表され,295号(1973年1月号)では一転して近代機C57を発表されています。さらに,それら蒸気機関車の舞台として,275号(1971年5月号)でレイアウト「三江鉄道」(のち「Nゲージレイアウト2」に収録)を発表されました。(TMS295号(1973年1月号)より)(TMS281号(1971年11月号)より)(TMS247号(1969年1月号)より)(TMSTMS226号(1967年4月号)より)蒸機では,池末氏,平石氏に加え,長谷部満則氏の8620(345号(1977年3月号)),小川謙二氏の古典機と客貨車(369号(1979年1月号))などが印象的です。電気機関車の古典機としては,宮崎不二夫氏が349号(1977年7月号)で発表されたED17がありました。(TMS349号(1977年7月号)より)機関車以外で特徴的な作品としては,金子泰巳氏が,308号(1974年2月号)で発表されたキハ82が挙げられます。関水金属のキハ82発売に1年先んじた作品で,透明な材質でボディを作り,窓の部分以外を着色するという方法で製作されました。これは,箱物向きの方法で,イギリスのGRAHAM FARISH製品で同様の方法が採用されているほか,370号(1979年2月号)に掲載された池末弘氏の京急デハ230形も同様の方法です。(TMS308号(1974年2月号)より)また,Nゲージの建物では,片野正巳氏が209号(1965年11月号)で発表された駅本屋(のちNゲージレイアウト5に収録),戸蒔勝美氏が255号(1969年9月号)で発表された各種日本型建物などがありました。(TMS209号(1965年11月号)より)(TMS255号(1969年9月号)より)