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シングルママは大忙し

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我が愛しきモノ;物;者(街編:その1)

ヴェネツィア

海の都、私の好きな街。ヴェネツィア


最初に断っておきますが、あくまでも私的見解です。

愛しきモノ;物;者その2で書いたように私は一時期塩野七生氏の著書に非常に凝っていた。
氏の本を読んでイスラム好き、アラブ好きだった私が中世イタリアを中心とした地中海世界にすっかり虜になってしまった。今でもアラブ世界が嫌いなわけではないのだけれど、読む書物の中心はすっかりイタリアなのです。

アラビア語を勉強していた時は旅行先は絶対中東!なんて気合いが入っていたけれど、なにしろ情勢が安定しない所なので計画倒れもしばしば。まぁ、渡航自粛勧告が出ている所にわざわざ出かけて行くのもなんなので....
仕事なら話は別だけれど。(パレスチナのボランティア応募したんだけどなぁ....)

塩野七生氏の著書の中に『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』というのがある。
ヴェネツィア誕生から共和国の滅亡までの一千年を書いた作品です。この本の冒頭、なぜ本のタイトルを『水の都』ではなく『海の都』にしたのかという理由が述べられている。 ―― 単に水の上に都を作ったのではなく海へ出て行くことによって生きた人たち。水の上に住んだのではなく海に住んだ人たち ―― だから『海の都』にしたそうだ。そうヴェネツィアは水の都ではなく海の都なのです。
冒頭を読んで、なるほどな~~。とは思ったけれど実感が湧かなかった。海上からヴェネツィアを眺めた方がいいてことかぁ....

この本を読んだ当時、働きながら大学へ通っていました。学部は法学部。法律や政治学に興味があった時期があり勉強したくなって通っていたのですが...
政治学に興味があったこともあり、感銘を受けたのですヴェネツィアという国に。ナポレオンに攻め込まれ次次と他のイタリアの小共和国がフランス配下になるなか、最期まで独立し、抵抗し続けたこの国に。
『海の都の物語~~~~』を読めばヴェネツィアの歴史が良くわかります。そしてなによりもヴェネツィアという国の人材登用のうまさが。外交・政治のうまさが。
なにかとごたごたしている東のどこかの国とは違うのです。まぁ時代も状況も違うので、ヴェネツィアの政治が今のこの国にあてはまるわけではないけれど、参考にしてはどうでうかねぇ~なんて政治家諸氏に言いたくなってしまうのです。別に政治家に限らず人材登用でお悩みの方、読んでみてはいかがでしょう。お悩み解決のヒントがあるかもしれません。

ヴェネツィアは海運国家でした。異教徒とでも通商を行っていた国です。通商の為、国の発展の為には治安の安定、言語の重要性などを良く心得ていた。支配者階級の人々だけでなく庶民までもが。政治的な憧れもあったけれど、イスラムと共生し、海に生きた人々をヴェネツィアを見てみたくなってしまった。
まぁ見たいとは思ってもすぐに飛んでゆくわけにもゆかず、本を読んでから待つこと2年。やっとの思いで行くことができたイタリア旅行。ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマの駆け足での3都市周遊だったけれど、憧れの地をこの足で踏むことができて嬉しかった。

行ってきた感想は?

ファンタスティック!!!!
ヴェネツィアに入ったのは夕刻。海からは無理でしたが、夕刻、暗くなった海上や水路に転々と電燈が灯っていてとても綺麗だった。ヴェネツィアに入国は夕方から夜がお勧めです。
どうやってこんな海のうえに都市作っちゃたのよ!なんて感動しますよ。ところどころ地盤沈下で建物が傾いていたりして、あぁ、年々沈んでいっているって本当なのね...なんて感慨深くなったりして。
活気に溢れた町、人々。言葉なんてわからなくたって気さくに話し掛けてきてくれます。市場で顔よりで~っかい海老を勧められたりして、ちょっと困ったり。ヴェネツィアングラスの工房を訪ねたり、手編みのレース工房を訪ねたり、美術館めぐりをしたり...楽しい一時でした。

他にも。未だに他のイタリアより英語やアラビア語が通じる(気がする..)し、治安がいいのです。スリやボッタクリは何処にでもあるので御用心!!
昔から通商慣れしている国だけに外国人の扱いがうまいのです。女性の扱いももちろん。優しくしてくれるからといって迂闊に信用してはいけませんよ。

でも、残念ながら海は...
現代のヴェネツィア、大変海が汚いです。飛行機からみた景色が余りにファンタスティックで美しかっただけによけいにがっかり。昔のヴェネツィアは水を綺麗に保つことを国歌事業として最優先にしていたらしいけど、今はとても....落っこちたくないなぁ~

そしてヴェネツィアで、とびっきりの体験。いい体験ではないかもしれないけれどめったにないかも....
水路が多いヴェネツィアは移動手段の基本は船。その昔、船に乗ればかっこいいヴェネツィア人も、馬に乗るのは下手くそだったとか。今でも車の運転は下手らしい。
その船での出来事。ヴェネツィアはタクシーやバスもみ~~んな船。水上タクシーで移動中何やら青いライトをクルクル回しながら近付いてくる船が...
「あれ?このタクシー捕まってない?」そう、近付いてきたのは水上パトカー(?)。私が乗っていたタクシー、スピード違反で捕まっちゃったのです。
『おお~~、ヴェネツィアはパトカーも船なんだ!!』なんて妙に感動し、ってことは消防車や救急車も船???なんて思いながら解放してもらうのを待っていたのでした。あんまり体験できないでしょう、こういうのって。

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