街角の達人
ここ浦和に長いこと住んでいますが、買い物はもっぱら生協やデパート、駅に併設されたショッピングモールですませるので、ほとんど商店街には足を向けません。 そうした商店街は、かえって都内の下町やら、仕事や観光地に行って、ちょっとはずれた観光地化されていない場所にもぐりこんで、しゃれた心意気の店や凝った店を探して喜んでいるのが常でした ところが先日。 まったく偶然に、めったに足を止めない、駅からちょっと離れた場所の商店街・・と言うにはちょっとすか~ん!とした場所のお店の前で足が止まりました。 リサイクルショップ・・にしてはちょっとしゃれたものが並んでいます。 友人とちょっと寄ってみました。リサイクルとフランス直輸入のレース地の服等、オーナー好みのものだけ仕入れているブティックです。アクセサリーも千円以下で意外に手ごろ・・・外のワゴンでワイワイ話していたら、お店のすてきなお姉さん登場。 ねえねえお店に入って見てみてよ~いいものいっぱいあるから。ホラ、ステキでしょと、フランスのメーカーのことを語り始めて後は立て板に水・・・ キップのいいお姉さん。圧倒されながらも、楽しいひと時でした。 店の名はグレイス。(もしや昔、水葵さんに紹介された店かな~?)お客さんも若い人から年配の方まで丁々発止で、商品を間に置いて「高い!」「安い!」とやり合っています。 いい感じ魚屋のよう そして、その店の向かいにあったのは、これまた常連さんしか入れないよね~と言うようなお店。夕方の4時ごろに「開店」の看板が出たこれまたブティック。 入ると狭い小さなスペースの中で、年配のご夫婦が小物やかわいい服を並べている・・・十代の若者が着るような、蛍光色やどピンクのミニスカートやクシュっとしわの寄ったかわいいチョッキや、懐かしのオーバーオールのスカート等々。 これは場違いだったな~と思っていたら、そう顔に書いてあったのかその店の白髪のオーナーが話しかけてきました。 「お客さん。こういう服はどの位の人が着ると思う?」 「それは若い女の子達でしょ?」 「あのね。ウチでは50~60才代の人が買って行くのよ」 そう。そのオーナーは続けます。 「僕はね。はっきり言うの。いい?周りの目が気になる人にね、誰もあなたの服なんて見ちゃいないって!だって考えてみて?あなただってそんなのいちいち覚えていないでしょ?誰もあなたの服なんて注目してないって。そう、だからね。自分の好きな服を着なきゃ損よ!って」 だから、オーナーの言葉に共鳴したお客さんは、ショッキングピンクのミニの下にジーンズ着たり、若い女の子しか着ないような派手な服を家の中で着たり、犬の散歩の時用にしたりと、皆楽しんでいるとか。 なるほど。自分の好きな服を着る。大賛成です! その後もオーナーのオンステージは続き、ギターやマラカスのような楽器もどきで演奏してくれたり、漫才のような話ぶりで笑わせていただき、ここも立て板に水攻撃で只者でない片鱗ぶりをたっぷりと味わった時間でした。 う~ん知らなかった。地元にこんな面白い店があって、こんな名物店主になりそうなユニークな方々がいて・・・足元が抜けていましたね~どうして遠くに行って探していたかな。 青い鳥のお話のままではないですか 着物を着る事への後押しをしてもらったようで、ますますその気になってしまいました 街角の達人・・・それは商売の上だけではなく。きっと彼らを探すのは、こちらの目と心の開き具合によるのでしょうね もうひとつのブログ →くらしのそよ風kotohogisha~つる&かめ片づけ隊~