瑠璃ほぎ日記~遊び&波乗りせむとや生まれけむ~

2011/11/16(水)22:10

猫の恩返し

瑠璃光記(832)

         今朝のこと。  今日はお宮の日で、いつもの電車で下りたら珍しく同僚の神主とバッタリ会いました。  いつもは別々の道順で行きますが、今日はおしゃべりしながら、彼が私のいつものコースにつき合ってくれて徒歩20分の道のりを歩きました。  半分過ぎたあたりで、草むらあたりから小さな猫の鳴き声が聞こえました。とても小さな鳴き声です。生まれたてのようなか細い声・・・このあたりで、二人とも、勘で何か尋常でないものを感じていたのかもしれません。  何気なく、声のするあたりを探しましたが、鳴き声はすれど姿は見えず。コンクリートの板の影にいて見えないのだろうと、私はさっさとあきらめて行こうとしました。  が、同僚の方が何か気になったみたいで、草むらに足を踏み入れました。  つられて私もきょろきょろしていたら・・・いました。  なんと。3メートルくらいの高さの柚の木があって、その中間の高さの枝に乗って降りれなくなっている様子でした。  「いたよ!そこ。木の上」  茶色のトラちゃん・・・小さくない。1歳くらいでしょうか。意外な大きさで何であんなに可愛い声だったのだろうと、ふと違和感を感じましたが、それはあとで理由がわかることになります。  降りれなくなっているのなら、降ろしてあげようと同僚が来ていた作務衣を脱いで(ひっかかれるので)近くに寄ったところ・・・なんと。ご存知の方もおられるでしょうか、柚の木は 大きくなると太く鋭いトゲがにょきにょき出て、うかつにさわると怪我をする大変に危険な木なのでした。  そう。トゲトゲの枝に引っかかって、ぬけなくなったまま宙ぶらりんになって弱っていた鳴き声だったのでした  幸い、血は出ていなくて皮膚が裂けてはいませんでしたが、身体全体がトゲにからみついてどうしようもありません。見ると太い木の間に挟まって、とてもではないですが枝を落とさないと救出は無理と見えました。  猫の声はいよいよかぼそく、近くに行くと足がつかずにぶらぶら状態で、エビ反りの姿で、それでも人間から逃げようともがいています。  このまま放っておけないので、この家の人にお願いしよう!とすぐに走って行くと、塗装工事のおじさん2人が仕事の準備をしていました。  事情を話すと「あぁそれは市役所だ~」とのんびり言うので、いやちょっと、それまで待てないかもしれないので、と言うと一緒に見に来てくれて、あぁこれは大変だ!枝を切ってあげないと!と急いではしごを持って来てくれました。  そうこうしている内にタイムアップ!お宮が始まる時間なので、お願いして急いで神社の向かいました。ナイスタイミングで、いい方達にバトンタッチ出来てよかった。  そうしてその後、毎朝お宮に散歩に来る氏子さんからは、あの場所で猫が昨日から鳴いていて、どこにいるのか見つからなかったと聞くに及び、一晩中トゲトゲの中で宙ぶらりんになっていた猫のつらさを思って、二人で  「よかったね~~~」と胸を撫でおろしたのでした。  しかし。何という運の強い猫でしょう。  もし、二人が会わなかったら。私ひとりなら、さらりとあきらめていた。彼一人なら、この道は通っていない。そして偶然、工事の人がいて、二人ともいい人で、かつ猫嫌いじゃなかった。  猫は助けを求めて鳴き続けて、偶然、神主二人がそれに気がついた。だから、祈りつき。ナイスです  帰宅時にそこを通ったら、枝を切った後があって猫は無事に救出されたようでした。  そして、救出しようと作務衣に盛大に粗相されて、出社早々洗濯を余儀なくされた同僚と私には、なんと、大きな鯛が一匹づつ、神社からプレゼントされたのでした(お祭りの神様のおさがりですが、普通は鯛は一匹です。2匹あることなんて極めて珍しいことですそれも、ちょうどこんな日に)  猫から、神様を通じての恩返しかも?・・・そう同僚とも、しみじみと語り合いました。  本当に、よかった   お知らせ  『寿ぎ暦2012』のご予約、絶賛受付中です!ご希望の方はこちらへどうぞ♪ → コチラへ  ご予約はお早めにどうぞ

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