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ことりんのスマイル

ことりんのスマイル

手術・術前

「手術・術前」



琴音と離れて過ごす夜は、初めてです。
夜中、私がいなくて泣いたりしなかったかなぁ、朝ご飯は食べたかなぁ、と気が気じゃない思いで翌日は面会に行きました。

面会はちょうど12時からなので、お昼ご飯からは一緒にいられます。
点滴で脳圧を下げる薬(当時は余裕なんて無くて確認も出来なかったけど、多分グリセオールかマンニトールだろうと思います。)を入れているので、食堂には行けず、ベッドの上でご飯を食べさせる事にしたのですが、これがビックリ!
嘘のようなものすごい食べっぷりなのです。

その時、琴音は腫瘍のせいで手も動かなくなっていたのですが、動かないその手を必死に使って、素手でご飯をむさぼるのです。ちょっと病的な気すらする食べ方でした。
看護士さんに(今、看護師なんですよね。)尋ねてみると、「点滴で入ってる薬がそういう効果をねらっている訳ではないけど、食欲がでる効果があるから、」と答えました。今考えると、多分ステロイドだったんだと思います。ソルメドロールとかなのかなあ?詳細は不明ですが。
それにしても、こんなに食べて大丈夫なのかな?と思ったのですが、点滴で脳圧が下がっているので、嘔吐などもなくなりました。

食事の時はすごい勢いなのですが、それ以外の時は入院前よりはマシなものの、元気が無くとろ~んとした感じです。ずっとさみしかったらしく(当たり前ですが)、
「ママ、ママ」と甘えるのですが、力が全然ありません。
遊んだりもせず、私がお絵描きしてあげた絵を見て、名前を答えるくらいでした。

午後、主治医の先生を含む脳外科の先生全員が(といっても3人ですが)あいさつに来ました。主治医の先生ともう一人の先生は年の頃合いが同じくらいで、残る1人の先生はとっても若く、初めは研修医?と思ってしまいました。(先生、ごめんね。)
手術については現在日程の調整中で、予定が立ち次第教えて下さるとの事でした。

手術が決まるまでしばらくかかるのかな、と思っていたら、その翌日にさっそく先生から「急を要するので2日後の10月6日、土曜日に決定しました。」と知らせがありました。(当時は知らなかったのですが、脳外のOPE日は毎週水曜なので、やっぱり緊急のOPEだったみたいです。)
こんなに急とは思わなかったので、すごく驚きました。そして、OPEのすぐ後の火曜日に、今後化学療法を行う為に必要な「IVHカテーテル」(※下記参照)というものを挿入するOPEも行う事を知らされました。
それに伴い、明日、脳外科・麻酔科・外科の各先生からOPE前のムンテラ(簡単に言っちゃえば 話・説明)があるということでした。

翌日は各科の先生方から怒涛のように説明がありました。
麻酔科では、本人の呼吸を一度止めてしまい人工呼吸にする事、それに低年齢な上、手術が伏臥位で行われる事から(後頭部を切開するので)麻酔や呼吸管理がとても難しい事を説明されました。
脳外科では、8~10時間のOPEの予定で、腫瘍の摘出が充分に出来れば、合併症の水頭症も改善されるだろうという事(人によっては腫瘍の摘出と水頭症のOPEを別々に行う事もあるそう。)、それから、後頭部から首にかけて皮膚切開し一度首の骨を外して摘出をする為、術後は首がすわらない状態から始まるようになる事、全摘を目標にはしているが脳幹部はその機能上、絶対に傷つける事が出来ないので、その部分は腫瘍が取れない可能性もある事の説明を受けました。
なんだか、何を聞いても生きた心地のしない内容ばかりでした。
それから、9日火曜日に予定されていたIVH留置のOPEが、明日の腫瘍摘出手術の前に一度に行われてしまう事になり、外科の先生からもそれについての説明がありました。

夜、ぐっすり眠ってしまった琴音を見ながら、そんな長時間のOPEにこんな小さな子供が耐えられるんだろうか?とか、OPE中に万が一の事があったりしないだろうか、と不安な事だらけで頭が一杯でした。
もう、明日に迫っている事だし、承諾書にはサインしてしまった(笑)し、覚悟を決めないといけないのですが、色々な事でいっぱいいっぱいでした。

(※)「IVH」カテーテル(中心静脈栄養カテーテル):消化管を使った栄養が長期に取れない患者に中心静脈栄養(経口摂取とほぼ同等の栄養が可能)を行ったり、長期の治療中の点滴や採血、輸血といったルートとしても利用できる、胸部から体外に出る形になるカテーテル。
一度挿入すれば、不具合が無い限り年単位での使用が可能で、末梢確保や採血の苦痛が無く、腕が自由に使える。

OPE前日の琴音です。すっかりお休み。
点滴は足に入ってたみたいです。
OPE前



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