ことりのそら

人の中を一本貫いてる何か、というのがあると思う。
『芯』とでもいったらいいのかな。

もちろん、それが何かは人それぞれだと思うし、
それが言動の端々からにじみ出てる人もいれば
一見わからないけれど実はしっかりしてる人、
しっかりしてるように見えるけどあやふやな人もいるだろうし
あやふやに見えてあやふやな人だっているんだろうけど（^^;）。

でも、ミサのときに神父様を見てて思った。
この方は、とっても芯の太い方なのだなって。
どんなときでも『神様』という存在が、
１本貫いて流れているんだなって。
うまく言えないけど。でも、見えるような気がした。

いや、神父様というのは普通そうだろうし
そうじゃなきゃ神父様なんてやってらんないかなと思う。
それは間違いないことなんだけれど、
この神父様の場合は特に、それが見えやすいんだなぁって。
とってもわかりやすいんだなぁって。

……私もそうなりたいな。そんなこと思った。
私は聖職者じゃないから、神父様みたいでなくてもいい。
でも、いつでも１本、背骨みたいに通った芯を
自分の中に持っていたいな。
そんなこと、思ってしまった。


夜、森の活動でお世話になっているところへ
ちょいと炭をいただきにお邪魔した。
明るいうちにお邪魔しようと思っていたのに
山道を走るうちに日が暮れて、
たどり着いたころにはほとんど真っ暗（あーあー、もう^^;）

そして、気づくと、そこの方といろいろお話してた。
炭を焼いている釜の前で、火にあたりながら。
炭と土と闇の黒、燃える火の赤。
何だか原初のマグマみたいだって、ちょっと思った。
いや、見たことはないんだけど^^;

焼いた炭を見たことはあるけれど、
炭焼きを見たのは初めて。
昼間子どもたちが焼き始めた炭なんだろうな。
竹をいっぱい詰めたドラム缶の外で火を燃やして、
もうすぐ缶の中の竹が自力で燃え始めるかな、というところだったらしい。

途中で煙が思いっきりこちらへやってきたけれど、
焚火の煙みたいな刺激は全然なかった。
目にしみない煙があるなんて、知らなかった。びっくり。
炭焼きに関するいろんなお話を聞かせていただいた。
（私もいつか炭焼きたいな）

そのうち、学校はどうなってますかって聞かれた。
学校といわれても、最初何のことだかわからなかった。
いや、３種類くらい『学校』と名のつく活動と縁があるもんで。
その方のおっしゃってたのは、私が前から行きたいと騒いでた
とある学校のことだった。

わはは、行ってません、何も進んでません。
そう返事して、頭こりこり。
理由はいろいろある。お金やら時間やら、いっぱい必要だし、
私の中で設けてる行くための条件を、まだ満たせてない。
でも問題は、何より私自身の覚悟や意欲。

本当に何が何でも行きたければ、たぶん借金してでも行く。
貯金はしてるけど、ある程度は余裕を残して好きなことしながらなので、
これもいまいち、切実さにかける。
つまりはお金がないというのは半分以上は口実で、
私の側にそれだけの覚悟がまだないってだけのことだ。

学ぶこと自体もかなーりたいへんだろうなって思うけれど、
それ以上に、人のいのちや人生や心のおくふかくに触れるような内容だし、
それを学んで終わりじゃなくて、実践していくための学校なので
とてもとても躊躇してしまうのだ。
私にできるだろうか、そんなことしていいだろうかって。

でも、その覚悟が完全にできるまで待ってなくても、
学校で学ぶ間に追々できてくる部分もあるだろうしって
言ってもらって、少し気が楽になった。
そういうのは、最初からなるもんじゃなくて、なっていくものなのだろうし、
なれなければ、それが答えなんだろうし。

とはいっても、今はまだ時期じゃないな。
でも、話の中で、このころから行ってみれば、と言ってくださったのは
私自身も行くならこの年から行きたいなと思っていた時期。
それまでにクリアしておきたい条件はいくつかあるのだけれど、
ちょっと、これまでよりしっかり、そのときを見つめられるようになった気がする。

それにしても。私は確か、炭をいただきに行っただけのはずなのに。
なんでこんな話をしてきたんだろう？？
それがとっても不思議で、そして何だかうれしい。
あまりにもあやふやで、そして不安だけれど。
少しずつでも、歩き出せるかな？

……というわけで（？）、本来の目的どおり炭もしっかりいただいて、
夜の山道を走りながら、不思議だなー不思議だなーと繰り返していた。
今日は本当に、なんて不思議な日だったんだろう。
見えない手が、私の奥底に触れた日。
そんな感じがする。

さあ、今日から私はどこへ進んでいくのかな？
しっかり、歩けるといいな。
ありがとうございます。