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October 18, 2006
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カテゴリ:思うこと
昼間、ちょいとご用でお買い物。
行きつけのスーパーの店先で、でっかい樽を見つけた。
プラスチックの、大きなゴミ箱がちょっと寸詰まりになったくらいの、あれ。

何かいな、と覗いたら、お魚がいっぱい。
おっ、鯛だ、それからこれは…えーっと何だっけ、
それにしてもいっぱいあるなぁと目を丸くしてからお買い物。
帰りにおじさんに声をかけられた、『お姉ちゃん、魚もってかない?』。
たくさんありすぎて、困ってるんだって。

というわけで、しっかりちゃっかりいただいて帰ってきた。
この辺ではべらんちょ(ベラ)というらしいんだけれども、
焼き魚にするとおいしい、高級魚だって。
だけどなんだかやたら大きい。見慣れたサイズの倍といわずある。
この魚、こんなに大きくなるんだったんだ。
あんまり縁がないから知らなかったよ^^;

さて、べらんちょさん。
当然これは、釣ったままの状態でいただいてきたので、
うろこも内臓もしっかりついている。
5匹もいただいてきたこの立派なべらんちょさんを、
訳あって、この手で下処理しなければならない今夜。きゃああ。

スーパーのお魚屋さんで買ってくるときは、お願いして調理してもらっている。
釣ったお魚をくださる方もあるけれど、ちゃんとうろこも内臓もとって、
食べればいいだけにしてくださる。
そうでなくても、食事は母上様におんぶに抱っこ状態。
ありがたいけれども、ということは、自らうろこや内臓をとるという経験は
できないということで。

初めてとまでは言わないけれど、忘れるほど昔からしていないから、
それはもう悪戦苦闘。
ついでに、うろこ取り機とか何とかの文明の利器も、うちにはない。
包丁の背でこそげるしかない。
しかもべらんちょさん、ぬめぬめ逃げるし、ひれや歯が、時々『ちく』とか
いってくれるし。包丁すべるし。いていていて!

先日の鉈も同じだろうけれども、これも力任せでどうにかなるものじゃない。
だいたい力入れたら噛まれるか刺されるか逃げられるかになっちゃうんだもん。
ああもう情けないぞー、とかなんとか騒ぎながら、ごりごり、ごりごり。
幸い、そのうちになんとなくコツもつかめてくるのだけれども、
ほとんど苦労せずにうろこが取れるようになったのは、最後の5匹目で^^;
あーあーあー^^;

頭にまでうろこつけて大苦戦したけれど、いい経験にはなった。
便利な世の中だからとて、それに甘えているとこういうことになるのね^^;
べらんちょさん、当然もう神様のところへ泳いで行ったあとだけれど、
あんまり乱暴にごりごりしたら痛いかなぁ、なんて思ったついでに、
日曜日の竹のことを思い出していた。鉈、痛かったかなぁって。
チェーンソーで木を切るとき、すっと切れるようにしっかり目立てをしておくことは
木に対してのマナーだって、おっしゃってたな。
それって、切られる木は痛いってことなのかなぁ。そりゃ、痛いだろうなぁ。

いつぞや見た漫画で、植物の声を聞くことのできる能力がある家族がいて、
あるとき『野菜も切られるときは悲鳴を上げるの?』と聞いたちびさんに、
お父さんは『そうだよ』って返事してたっけ。
さすがに生野菜は食卓に載らないから、その子は知らなかったんだけど。
泣きかけたちびさんに、でもお父さんは言った。確かに野菜たちは悲鳴を上げるけど、
でも、どうぞ私たちを食べてください、って言うんだって。
食べて、あなたのいのちの一部にしてください……だったかな、覚えてない。
でも、とにかく、食べてくださいって言うんだって。

ほかのいのちをいただかなければ、いのちは生きていけない。
でも、そのいのちを自分のいのちとひとつにしていけば、くれたいのちも生きるのかな。
だったら、今生きているこのいのちは、実際のところ誰なんだろう。
……そんなことを考えては、べらんちょさんに『ちくっ』とやられたり
包丁滑らせて手をこそげかけたりしつつ、うろこをはいでおりましたとさ。
やっぱり訳あって今日は食べることができないから、明日。
それまで、べらんちょさん、冷蔵庫で待っててね。





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Last updated  October 20, 2006 11:58:44 PM
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