ことりのそら

朝っぱらから『遅刻だー』って半泣きで教会にすっ飛んで行った。
くー、ここんとこ少し早く出るように心がけてたのにな、
だあああ神様っ、私はごミサに与かりたいんですーっ、なんて
車の中で大じたばたしながら。
でも時間は平等。あああっ、門くぐったとこでごミサ開始の時間だよーっ。

駆け込んでみると、神父様たち椅子に座っておしゃべりなさってた。
やあ、待ってたよ、って、顔を上げた神父様が笑いかけてくださって、
お待ちしておりましたーって、ばあさまと孫を名乗れるくらいの
信者さんたちが、にっこりしてくださって。
ひえーありがとうございます、お待たせしましたーって深々と礼。

ごミサのあとは、私が仕事に遅れないようにって、大急ぎでお湯を沸かして
コップ並べて、旅行のお土産だという葛湯を出してくださって。
頂き物だけど食べてって、お菓子いっぱい並べてくださって。
お土産よって、お漬物の袋まで手に乗せてくださったりして。
神父様はお部屋で、私が病気のわんこのお見舞いに行くの待っててくださって。

結局時間切れで旅のお話はほとんど聞けなかったけれど、
ほんのり甘いほかほか葛湯をカップとスプーンごと抱えて
行ってらっしゃいと送られて車に飛び乗った。
信号待ちの合間にいろいろ入ったあったかい葛湯を楽しんで、
今ばかりはわんこになりたいっ、と、カップに残ったのを見つめたりして。


職場では結論の出ない会議に疲れて帰ってきた人が『芯をもてーっ！』と私に炎。
ひーん、お気持ち分かりますが私に怒っても仕方ないですー、と
もちろん本気で私に言ってるのではないことは承知で泣きまねしたりして。
ふと目についた鉛筆握り締めて、『芯ですっ！　もってますっ！』とやり返して、
周り中巻き込んで大笑いしちゃったりして。

実は数日前から風邪が緩やかに経過中で（今回はレメディーでは逃げられなかった）、
『ご病人ですっ！』『ほう、そんなにひどいの？』『なんと食欲がありませんっ！』
『なにっ？！　そ、それは本当に大変だ』『…^^;　どういう意味ですかっ^^;』なんて
問答して笑ったりして（元気なことだ…^^;）。
昼休み隣室でうとうとしてたら始業のチャイム聞き逃しちゃったんだけど、
コピーとりに来て見つけた人が本気で心配してくださったりして。

（ちなみに見つけたのは１年目の人で、私には声をかけず、
部屋に戻って私がダウンしているようだと上の人に言ってくださったようで。
付き合いの長い上司は慌てず騒がずドアを開けて、『ことりさん、時間だよ！』。
もちろん私は飛び起きて、きゃああー気づきませんでしたーと大赤面。
眠かったけれど症状自体は穏やかで（残念ながら（？！）熱もない）、
ダウンするほどではない。しかし何といいますか、把握されておりますな^^;）


…神様、どうしてですか？
どうして、こんなにあったかい場所に私を置いてくださるのですか？
不思議で不思議で仕方がない、でも、とってもとってもありがたい不思議。


じき年度末。このあたたかさはまもなく過ぎ去ること、わかっている。
本当はそうでなくても全て過ぎ去るものなんだろうけれど
（ついでに周りが過ぎ去らなかったとしたって、
私が年度末まで生きてる保証なんてどこにもないもんな）
限られた日々とわかっているだけになお、あたたかくて愛しい人々と時間。

でも……少し前に職場の人と話していて、何年か前のこと、
あのころすっごく楽しかったですねー、なんて言いあっていたけれど、
今も、色合いは変わっても同じように光を帯びてること
しみじみ感じて、やっぱりとっても不思議で、そして嬉しい気持ちになった。
……なら、大丈夫。きっと、この先も。


しかし。大丈夫なんて悠長に言ってられない気分のことが１つ。
…この週末が進級試験だってのに、冗談抜きで勉強できてない。
この風邪、せめてこれで勉強しなさいっていう天の声だったりして……^^;