2021/06/29(火)14:27
第138話 現場検証、そして (ごめんなさい、ちょっと席を外すわね)
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鑑識員
「お~い、ここも写真撮ってくれ。」
ここは昨夜襲われた自衛隊駐屯基地。
警察の聴取や取材カメラの報道関係者でごったがえしていた。
鑑識員
「これも燃料タンクを一発で貫通させている・・・・」
その横で、うなずきながら見ている少年。
こういち
「うんうん。。。」
自衛隊小隊長
「どうかね、こういち君。」
こういち
「たしかに一発でここを打ち抜いてますね。」
自衛隊小隊長
「このあいだのビル崩壊現場から見つかった生存者が、色々と事を起こしてくれるな・・・」
そう、この小隊長はビルの崩壊現場でこういちと一度会っていた。
この小隊長のお陰で、ゆうすけもこういちもこの敷地内に入ることが出来たのだった。
こういち
「だから逃がしちゃダメだったんですけどね。
しっかりとした装備でも逃げられてしまうんだから仕方ないか。」
遠くの柵の辺りから手を振るゆうすけ。
ゆうすけ
「おぉ~ぃ、こっちこっち。。。」
そこへ駆けつける自衛隊小隊長とこういち。
ゆうすけ
「やっぱりあったよ。
ここにカメラをセッティングしたのさ。
ほら、三脚を立てた後がここと、ここと、ここの三箇所に。
そして人が立っていたと思われる草を踏みつけた後ね。」
自衛隊小隊長
「よくここを見つけられたね。」
ゆうすけ
「戦う様を見せるには、この辺りから撮ると固定したままでいいでしょ♪
目的が分れば事件は筋が通ってくるものなのさ。
すなわち、ボクの推測が正解に限りなく近いってことの証明にもなります。
鑑識さんと、警察犬を呼んで下さい。」
自衛隊小隊長
「お、おぉ、分った。」
無線で連絡を取る自衛隊小隊長。
ゆうすけ
「ここから恐らく近くに止めた車まで歩いて、そして移動したと思われます。
警察犬はその位置の確認。
そしてNシステムで、その時間帯を通行した車両のリストアップ、
さらにその車両がどこに向かって、どこから追えなくなったかを調べて下さい。」
自衛隊小隊長
「分った。 す、すごいなキミ。」
こういち
「ゆうすけの得意分野なのさ♪」
ゆうすけ
「オヤジーーーっ! 次に行くぞーーーっ!」
北見刑事
「お !? もういいのか・・・? 分ったー!」
遠くで手を振り、声と共に合図を送る北見刑事。
ゆうすけ
「次は今言った、Nシステムの撮影写真を見れるところ。」
万が一、同乗者にクラウスの顔が映って居たらその車両に決定。」
こういち
「後は、その車両の向かった先を突き止める・・・かな。」
ゆうすけ
「アッタリ~♪」
北見刑事の車が近くに停まり、それに乗り込む二人。
ゆうすけ
「はい、レッツゴー!」
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パンっ ブッブー
夜の街を華やかに彩るネオン。
サラリーマンが酔いつぶれ、同僚に肩を借りてフラフラしながら街をかっぽする姿が映る。
高級クラブのお店の前でお客の見送りに出ていた数人のホステス。
華やかなドレスや衣装に身を包み、笑顔で客を見送る。
このお客はまだ未練があるらしく、停めたタクシーに乗る気配がない。
ホステス ミミ
「ほらほら、タクシー待たせてあるんだから。。。」
酔った客
「まだボクちゃんはここに居てもいいんだぞー ぅぃ♪」
ホステス ラン
「先生、明日早いんでしょ。今日はこのくらいにしないと。」
酔った客
「明日がなんだー、今日を大事に生きるボクちゃんなのであった。 ぅぃっ♪」
ホステス ミミ
「さっ、乗った乗った。 また明日お待ちしてますよ~♪」
階段下から上がってきたボーイさん、ホステスの耳元で、
酔ったお客に聞こえるようにささやく。
ボーイ
「ランさん、指名が入りました。」
ホステス ラン
「は~い。」
酔ったお客
「なんだ・・・ではボクちゃんは退散するか。」
車に手を付きながらようやくタクシーの後部座席に入り込む客。
窓の外で手を振る二人のホステス。
そして見送った後、店内に引き上げてくる。
ボーイ
「ランさん、7番さんご指名です。
ミミさん、11番さんサポートです。」
ホステス ミミ
「またサポートかぁ・・・・」
ホステス ラン
「サポートに付いた連れのお客から次回の指名を迫りなさい♪
がんばるのよ。」
ホステス ミミ
「ハーイ、がんばりまーす。」
ランが指名を受けたテーブルに到着する。
ホステス ラン
「あら、博士♪ お久しぶり。。。」
ニース博士
「ここのところ、忙しくてね。
少し気晴らしでもしないと息が詰まるのだよ。」
博士の前にあったグラスを手に取り、ガラス製の容器からアイスをピックアップして
グラスに入れる。
ブランデーの栓を ポン と抜き取り、グラスに注ぎながら、
ホステス ラン
「博士、何に息が詰まっていらっしゃるのかしら~♪」
ニース博士
「中々次へのステップアップがスムーズに行かなくてね。」
ホステス ラン
「何かのマシンの開発みたいなもの・・・・?」
ニース博士
「いや、バイオだよ。 人間のね。 更なる力を出せるようにと研究しているんだよ。
これ以上は企業秘密になるけどな。」
ホステス ラン
「そぉ、大変なのね。
ちょっとお待ちになってて下さいね。」
博士の隣に既に座っていたサポートのホステスに軽く笑顔を見せて立ち上がる ラン。
そして別のテーブルに付いていた五月ママの元に歩みより、耳元で何かささやいた。
五月ママ
「ごめんなさい、ちょっと席を外すわね。」
付いていたテーブルのお客に一言添えてから立ち上がり、カウンターの裏に足を運ぶ五月ママ。
携帯で誰かに連絡を取り始めた。
-つづく-
第139話 高級クラブ へ
(ピンポンピンポン♪ 当たり~☆)
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