■ ドラマ 永久の彼方へ

2021/06/29(火)14:27

第138話 現場検証、そして (ごめんなさい、ちょっと席を外すわね)

第二章 123 ~ 187 話(66)

. 鑑識員   「お~い、ここも写真撮ってくれ。」  ここは昨夜襲われた自衛隊駐屯基地。  警察の聴取や取材カメラの報道関係者でごったがえしていた。 鑑識員   「これも燃料タンクを一発で貫通させている・・・・」  その横で、うなずきながら見ている少年。 こういち   「うんうん。。。」 自衛隊小隊長   「どうかね、こういち君。」 こういち   「たしかに一発でここを打ち抜いてますね。」 自衛隊小隊長   「このあいだのビル崩壊現場から見つかった生存者が、色々と事を起こしてくれるな・・・」  そう、この小隊長はビルの崩壊現場でこういちと一度会っていた。  この小隊長のお陰で、ゆうすけもこういちもこの敷地内に入ることが出来たのだった。 こういち   「だから逃がしちゃダメだったんですけどね。    しっかりとした装備でも逃げられてしまうんだから仕方ないか。」  遠くの柵の辺りから手を振るゆうすけ。 ​​ ゆうすけ   「おぉ~ぃ、こっちこっち。。。」​​  そこへ駆けつける自衛隊小隊長とこういち。 ゆうすけ   「やっぱりあったよ。    ここにカメラをセッティングしたのさ。    ほら、三脚を立てた後がここと、ここと、ここの三箇所に。    そして人が立っていたと思われる草を踏みつけた後ね。」 自衛隊小隊長   「よくここを見つけられたね。」 ゆうすけ   「戦う様を見せるには、この辺りから撮ると固定したままでいいでしょ♪    目的が分れば事件は筋が通ってくるものなのさ。    すなわち、ボクの推測が正解に限りなく近いってことの証明にもなります。    鑑識さんと、警察犬を呼んで下さい。」 自衛隊小隊長   「お、おぉ、分った。」  無線で連絡を取る自衛隊小隊長。 ゆうすけ   「ここから恐らく近くに止めた車まで歩いて、そして移動したと思われます。    警察犬はその位置の確認。    そしてNシステムで、その時間帯を通行した車両のリストアップ、    さらにその車両がどこに向かって、どこから追えなくなったかを調べて下さい。」 自衛隊小隊長   「分った。 す、すごいなキミ。」 こういち   「ゆうすけの得意分野なのさ♪」 ゆうすけ   「オヤジーーーっ! 次に行くぞーーーっ!」 北見刑事   「お !? もういいのか・・・? 分ったー!」  遠くで手を振り、声と共に合図を送る北見刑事。 ゆうすけ   「次は今言った、Nシステムの撮影写真を見れるところ。」    万が一、同乗者にクラウスの顔が映って居たらその車両に決定。」 こういち   「後は、その車両の向かった先を突き止める・・・かな。」 ゆうすけ   「アッタリ~♪」  北見刑事の車が近くに停まり、それに乗り込む二人。 ゆうすけ   「はい、レッツゴー!」 ~~~    ~~~       ~~~  パンっ ブッブー  夜の街を華やかに彩るネオン。  サラリーマンが酔いつぶれ、同僚に肩を借りてフラフラしながら街をかっぽする姿が映る。  高級クラブのお店の前でお客の見送りに出ていた数人のホステス。  華やかなドレスや衣装に身を包み、笑顔で客を見送る。  このお客はまだ未練があるらしく、停めたタクシーに乗る気配がない。 ホステス ミミ   「ほらほら、タクシー待たせてあるんだから。。。」 酔った客   「まだボクちゃんはここに居てもいいんだぞー ぅぃ♪」 ホステス ラン   「先生、明日早いんでしょ。今日はこのくらいにしないと。」 酔った客   「明日がなんだー、今日を大事に生きるボクちゃんなのであった。 ぅぃっ♪」 ホステス ミミ   「さっ、乗った乗った。 また明日お待ちしてますよ~♪」  階段下から上がってきたボーイさん、ホステスの耳元で、  酔ったお客に聞こえるようにささやく。 ボーイ   「ランさん、指名が入りました。」 ホステス ラン   「は~い。」 酔ったお客   「なんだ・・・ではボクちゃんは退散するか。」  車に手を付きながらようやくタクシーの後部座席に入り込む客。  窓の外で手を振る二人のホステス。  そして見送った後、店内に引き上げてくる。 ボーイ   「ランさん、7番さんご指名です。    ミミさん、11番さんサポートです。」 ホステス ミミ   「またサポートかぁ・・・・」 ホステス ラン   「サポートに付いた連れのお客から次回の指名を迫りなさい♪    がんばるのよ。」 ホステス ミミ   「ハーイ、がんばりまーす。」  ランが指名を受けたテーブルに到着する。 ホステス ラン   「あら、博士♪ お久しぶり。。。」 ニース博士   「ここのところ、忙しくてね。    少し気晴らしでもしないと息が詰まるのだよ。」  博士の前にあったグラスを手に取り、ガラス製の容器からアイスをピックアップして  グラスに入れる。  ブランデーの栓を ポン と抜き取り、グラスに注ぎながら、 ホステス ラン   「博士、何に息が詰まっていらっしゃるのかしら~♪」 ニース博士   「中々次へのステップアップがスムーズに行かなくてね。」 ホステス ラン   「何かのマシンの開発みたいなもの・・・・?」 ニース博士   「いや、バイオだよ。 人間のね。 更なる力を出せるようにと研究しているんだよ。    これ以上は企業秘密になるけどな。」 ホステス ラン   「そぉ、大変なのね。    ちょっとお待ちになってて下さいね。」  博士の隣に既に座っていたサポートのホステスに軽く笑顔を見せて立ち上がる ラン。  そして別のテーブルに付いていた五月ママの元に歩みより、耳元で何かささやいた。 五月ママ   「ごめんなさい、ちょっと席を外すわね。」  付いていたテーブルのお客に一言添えてから立ち上がり、カウンターの裏に足を運ぶ五月ママ。  携帯で誰かに連絡を取り始めた。                                -つづく- 第139話 高級クラブ  へ  (ピンポンピンポン♪ 当たり~☆)   ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。     また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

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