2020/12/14(月)12:14
第291話 大いなる脅威 -5 (いっ くしゅっ< !!)
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[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)を先頭に、他の軍兵達が静かに待機しているところへ、
偵察に行ったと思われる二人が戻ってきた。
そして一人が[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)の耳元で何かをつぶやいた。
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
( くそっ・・・・・ )
やや悔しがる[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)、そして左手を上にかざし手の平を自分
に向け、右手の平を伸ばした状態で左手の平の中心に、伸ばした指先をツンツンツンと三度当て
た後、大きく右手を前に振ったっ!
すると[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)を先頭に一気に闘技場に雪崩れ込む月光軍兵達!
500人は居るであろう軍兵達は統率が取れており、素早く同時に移動していた。
ササササササササササササササササササっ
ササササササササササササササササササっ
ササササササササササササササササササっ
ササササササササササササササササササっ
次々と闘技場に入り込み、ほどなく入ったところで立ち止まった[月光軍長]曹 富夜(そう
フウヤ)、続く月光軍はその一歩下がった両脇、そして後方に素早く整列したのだった。
館長
「お待ちしておりましたぞ。」
真っ暗な闘技広場で[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)の前方から、大少林寺館長の声がした。
残念ながら暗くてその姿が見えない。
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
「よくおれ達が今日攻め入ると分ったな。 大したものだ。」
館長
「そのように予想してくれた者がおりましてな。」
~
~
ゆうすけ
「いっ くしゅっ< !! 」
~
~
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
「のようだな・・・・。以前の大少林寺では考えられぬ読みだ。
それよりなんだあの後ろの坊主どもは。 まるで戦う意志が無くただ座っているだけじゃ
ないか。 それも周りを囲うように。」
師範 秦 岱明(しん たいめい)
「ほぅ、この暗闇でそこまで見えるとはな。 大したものだ。」
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
「フン、この月光軍をなめるな。」
師範 秦 岱明(しん たいめい)
「あの僧侶達は戦わん。 お前達にお経を読み上げて頂くだけだ。
相手するのは我が大少林寺の武僧達。
・・・そして・・・」
この時、どんよりとした暗い雲間から満月が顔を出し、真っ暗だった闘技場を月明かりが辺り
一面をゆっくりと照らし始めた。
先頭に立つ館長の姿、そしてその後方に立つ師範とクンナ、チュンホー。その後ろに整列して
いた大少林寺の各房長達と武僧達が次々に見えてきた。
さらにその武僧達が素早く左右に分かれていく、するとなんと割れて出来た真ん中のその後方
から現れたのはっ!
広州明冥道 候流 侯 玉穂(こう ぎょくすい)
「広州明冥道 候流 侯 玉穂と申す。私がお相手つかまろう。」 シャキーーン
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
「なにっ!」
広州明冥道 候流 候 玲訓(こう れいくん)
「おなじく 候 玲訓(こう れいくん)」 シャキーーン シャキーーン
武当拳 玄 高揚(げん こうよう)
「武当拳 玄 高揚だ。」 ザッ
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
「峨眉拳 棲 陽江ある。」 クルクルクル チン、チーン
広東鋼刃道 析 角鷲(せき すいじゅ)
「広東鋼刃道 析 角鷲。」 ざっ、 ビューー!
北方クンフー 李 チュンスク
「北方クンフー 李 チュンスク、お相手いたす。」 ヒュンヒュンヒュン サっ
外家形意拳 疎 云南(そ うんなむ)
「外家形意拳 疎 云南ある。」 シャーシャー ザッ
甲賀忍術 影鬼
「甲賀忍術 影鬼っ!」 ヒュ、 スタ。
次々と現れたその最強戦士達っ!
皆、館長の前に出て、それぞれの拳套を取り ピタっ と動きを止めて[月光軍]を見据えたっ!
ジャーーーーンっ!
[月光軍長]曹 富夜(そう フウヤ)
「こ、こいつらはっ!
くそう・・・坊主ども、ハメやがったなっ」
館長
「ハメてなどおらん。
大少林寺はただの寺じゃ。 戦うならここがよろしかろう。
それに寺の中を荒らしては、仏様がお怒りになられるじゃろうて。 ここなら思う存分に
できるでのぉ。
そして事情をお話申し上げたら、みなさんが善意で集まって下さったのじゃ。
ありがたい事じゃて。」
候流(こうりゅう)侯 玉穂(こう ぎょくすい)
「この世にあって世界討伐とは、断じて許せぬ行為っ!」
北方クンフー 李 チュンスク
「我々にも大きく関与することを知り、大少林寺殿だけにお任せする訳にもいかぬだろう。」
峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)
「我らは皆、己の意志でここに出向いたアル。
名誉ある[総本山対極試合]の出場者、その最強戦士の名に掛けて、その目論みの芽を
潰すあるっ!」
師範 秦 岱明(しん たいめい)
「我らが相手する、覚悟してもらおうっ!」
~
~
~
スンチャ
「な、なんてことをっ!」
チーラン
「大少林寺、潰す・・・・」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「[三獣神]のお陰で人類が滅亡する日も近い。
大少林寺は余りにも我々の事を知りすぎている。 まぁ陰と日向、カードの裏表の関係で
我ら大竹林寺と共に歩んできたのだから無理もないがな。」
和恵姉さん
「ねぇ、なぜその関係を打破しなくてはならないの?」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「女、お前も 陳南家 南流伝承者 の血を引く者のようだ。
なれば教えてやろう。
これからのこの世界、[三獣神]の力を要さずとも、この地球の不要物の排除が出来る様
になるからだ。
そう、この大竹林総元帥、黄龍道元帥が表の世界に君臨するからなっ!」
和恵姉さん
「ふぅ~ん。世界の王様になるってことか。
でもゴメンね。。。 それ、どっちもダメみたい。。。」
黄龍道(おうりゅうどう)元帥の映像に向かって歩を進め出した和恵。
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「なんだと・・・・。」
和恵姉さん
「残念だけど大少林寺、ちょっと面白いことになっていると思うわ。」
ゆうすけ
( へへぇ~♪ )
歩を止め、チャイナのスリットから足を横に出し、腕組みをした和恵。
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「どういう事だ・・・・」
和恵姉さん
「それを読んでいる人が居てね♪ 今頃手ぐすね引いて待っているんじゃないかな。
軍兵さん達が到着するのを。 だ・か・ら・、
あなたの思い通りにはなってないわっ!」
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(世間は狭いや)
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