■ ドラマ 永久の彼方へ

2024/07/24(水)21:19

第4-400話 怪しげな風 -2 (そのゴンちゃんはやめろっ)

第四章 4-364 ~ 420 話(57)

. シュナイケル / (謎の男????)改め   「さぁね。。。 ボクちゃん、気まぐれだから聞くだけヤボかもねぇ~。    ってことで、この娘はお前さんには渡さないよん。 ボクちゃんがもらっていくね。    じゃ~ねぇ~。」                      VVV ズバっ☆ VVV ゆうすけ   「なにっ !? 」  片手を上げて挨拶したとたん、利江と共に姿を消すシュナイケル。 和恵姉さん   「何あいつ・・・。」 リツコ   「利江ちゃん!」  タロがシュナイケルと共に利江の消えた電話ボックス付近まで駆け寄り、辺りをクンクンと  嗅ぎまわる。  だが、利江の臭いは追えないと見え、同じところをクルクルと回ってるだけだった・・・。 セルフィー   「く、くそ・・・。」 和恵姉さん   「ゴンちゃん、今の誰・・・?」 セルフィー   「そのゴンちゃんはやめろっ!  ふん、あいつか・・・ ( 少し考えてから、 )    さぁな。 突然俺の前に現れて、そしてまた消えて行く・・・。    毎度よくわからんやつだ・・・。」 ゆうすけ   ( あいつ・・・、ガイザー、ザウバーが身につけていた瞬間移動を使ってやがった・・・。 ) 和恵姉さん   「あっそ。 もう一つ聞くけど、なぜ利江ちゃんをさらおうとしたの・・・?」 セルフィー   「そいつは・・・言えん・・・。」 和恵姉さん   「こういちを出せと言っといて、次は利江ちゃん。 なに考えているかその悪巧み、力    づくでも口を割ってもらうわよ。 トコトン付き合うからね。」 セルフィー   「く・・・。」 和恵姉さん   「それともう一つ。    あなた、組織のスペック戦闘員ではないわね。」 セルフィー   「次から次へとうるさい姉貴だぜっ。    あの小娘が手に入らなかった今宵、むしゃくしゃする。 トコトンか、面白い、その    力づくってやつに付き合ってやろうかっ!」  構えるリツコ!  そして、腕組みを解く和恵。 ゆうすけ   「タロ!」  タロを呼びつけ、走り来るタロの背中に飛び乗り、その場を回避するゆうすけ。 ゆうすけ   「姉さん、ここでは被害が計り知れないですってばっ!    自衛隊の皆さん、もっと遠くまで避難してくださいっ!」     ( 駆けるタロの背中から大声で叫ぶゆうすけっ! ) 和恵姉さん   「わかってる。 でも今やらなければ、こいつらの行動の裏がわからないままよ。」 自衛隊小隊長   「全員退避っ!」 セルフィー   「貴様に、こいつが避けられるかっ!  はっ、はっ!」  セルフィーはその場に立ったまま、手首だけの先程とは違い、肘から上を胸元から前に連続  で振った! すると、ビルの屋上を越える高さの竜巻が二つ現われたっ!       ξξ グォォォォ ξξ    ξξ グォォォォ ξξ  踊るように辺りを走り回る巨大な二つの竜巻。 辺りの看板、ショートした火花を各所に発光させ  ながらの電線、植樹を巻き込んで根こそぎもぎ取り、渦の中で細かく裁断されて上空に消えて  行くっ!  2つの竜巻は、丸でコンビでダンスを踊っているかのようにうねうねと絡み合いながら辺りの  景色を一変させていくっ!    ξξ グォォォォ ξξ  中にはスペック戦闘員も巻き添えになって飛んでいく姿も! 和恵姉さん   「リツコも退避しなさいっ! 生身では切り刻まれるだけよっ!」  そう叫ぶ和恵に、その2つの竜巻が狙いを定めて猛然と迫ったっ!     ξξ グォォォォ ξξ         サっ   サッ、サッ  すばやく移動し、竜巻を交わす和恵! リツコも退避し、ゆうすけとタロの居る場所に移動し  ていた。                サッ、サッ!  サっ   サっ     ξξ グォォォォ ξξ              ξξ グォォォォ ξξ  和恵を襲う竜巻は、ビルの側面に当たって跳ね返るように再び和恵を襲う!  竜巻に触れたビルは、次々と側壁を削がれ、上空に消えて行くっ! セルフィー   「逃げても逃げても追いかけるのさ。 いつかは疲れてその竜巻に飲まれる。    そして最後は切り刻まれて天にめされるのだ。」                 ξξ グォォォォ ξξ     ξξ グォォォォ ξξ         サっ   サッ、サッ      シャキーン    チンキンキンキン         (時折、何か金属音が混じる。)  自分の元に駆けつけたリツコの姿をみたゆうすけ、 ゆうすけ   「リ、リツコさん !? 」  そのリツコ、なんと竜巻に触れもせず、遠巻きに回避したにも関わらず、着衣に無数のキリ傷、 して切り刻まれた数箇所は着衣が剥ぎ取られ、肌を露(あらわ)にしている部分も・・・。 リツコ   「こ、こんなに離れていたのに・・・。 なんて威力なのかしら・・・。 姉さんは・・・」 セルフィー   「踊れ、踊れ。 死のダンスを。 あははははは。」  ξξ グォォォォ ξξ      ξξ グォォォォ ξξ  サっ   サッ、サッ              南流 空撃波 !!                   ズボーーン>>                          ズボーーン>>  と、高笑いするセルフィーの目の前で、破裂音っ!  それと共に荒れ狂うように和恵を襲っていた竜巻は、その姿を徐々に消していったのだった。 セルフィー   「何っ !? 」  そして目線の先には、消え行く竜巻のその奥、アスファルトが剥ぎ取られた路上の真ん中に、  スリットから横に足を出し、腕組みをした姿勢の和恵の姿があった。 セルフィー   「く・・・・。」  その姿は、リツコと異なり、身なりはいつもの姿のまま。 和恵姉さん   「お互いに手抜きじゃね、ゴンちゃん。 こんなもんでしょ。」      ドスン \ / ドスン   ドスン  空中に舞い上がっていたビルやアスファルトの瓦礫が、地面に落下してきた。 セルフィー   「ふっ、まぁいい。 やるもんだな。    とことんと言ったが、今日は挨拶代わりでこのくらいにしておくか。    こういちとやりたかったが、姉貴でも十分ではないがその実力の一端を見せてもらっ    たんでね。    あの小娘がシュナイケルに横取りされてしまった。今日は引き上げる。    また会おう、陳南家 南流伝承者の血を引く者よ。    そのゴンちゃんはやめろよ。 さらばだ。」  そう言うと右手二本指を立て、指先で小さく輪を描くと、ふわっと身体が宙に浮き上がり、  突然猛スピードで空を駆けていった・・・・。  まるで魔法のじゅうたんにでも乗ったようにして。 和恵姉さん   ( なっ、あいつ・・・陳南家と口に・・・ ) ゆうすけ   「姉~さぁ~ん。。。」  (リツコ、タロが共に駆け寄ってくる。)  後ろに振り返りながら目線を向ける和恵。 和恵姉さん   「あら、サービス精神が旺盛なのね。。。」 リツコ   「からかわないで下さいよ・・・。」 ゆうすけ   「姉さんは・・・まったく・・・」 和恵姉さん   「見えない刃(やえば)も振り落としたから。」 リツコ   「見えない刃(やえば)?」 和恵姉さん   「そっ。 渦巻きの起こす回転や空気だけが攻撃していたのではなかったから。」 ゆうすけ   「そっか。 あの渦が作り出す空気密度の異差により、真空状態の場所も発生させて、    物質を切り刻む力、見えない刃(やえば)が存在していたってことですよ。」 リツコ   「うかつでした・・・。                 それより利江ちゃんが・・・・。」 和恵姉さん   「困ったわね・・・。 突然現れて消えられたら追うに追えないもの・・・。」 ゆうすけ   「あいつ・・・セルフィーがシュナイケルと言ってたやつ。    あれは瞬間移動、ガイザーやザウバーが身につけてたものと同じですよ。」 リツコ   「まだ他にもそんな能力を身につけた者がいるなんて・・・。」 和恵姉さん   「何がなんだかさっぱり分らないわよ・・・。」 ゆうすけ   「『こういちを出せ』 とか言っといて、利江ちゃんがさらわれるし・・・。」 和恵姉さん   「それにね、あのゴンちゃん、私のこと『陳南家 南流伝承者の血を引く者よ』と漏ら    してた・・・。」 ゆうすけ   「えぇぇっ!」 リツコ   「なんですって !? 」 和恵姉さん   「私に向かって 陳南家 なんて言葉、大少林寺や総本山対極試合の関係者以外からは聞    いたことがないの・・・。 ちょっとビックリ・・・。」 ゆうすけ   「どういうことなんだろ・・・    今回の事件、その裏側・・・奥が深すぎる・・・。 ちょっと慎重に当たらないとと    んでもないことになる気がします。」 和恵姉さん   「そうね。 私たちの素性が丸裸ですもの。 今のリツコみたいに・・・。」 リツコ   「ま、丸裸ではありません! ほんのちょっと露出しているだけです・・・。」 ゆうすけ   「それに、今回ばっかりはタロの力を借りても利江ちゃんを追えないし・・・。    インカムも通信不能・・・電波届いていないし・・・。」 和恵姉さん   「今日は完敗ね・・・。    残念だけど、一つ一つ整理していかないと、どうにもならないわ。戻りましょう。」 リツコ/ゆうすけ   『はい。』                                -つづく- 第4-401話 先手 -1 へ  (むにゃむにゃ~・・・ イッ クシュっ!)   ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。     また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

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