■ ドラマ 永久の彼方へ

2020/09/10(木)12:05

第4-542話 想悩のラニーニャ -05 (こいつもダメか・・・)

第四章 4-481 ~ 560 話 (81)

. ラニーニャ   「片付けてない・・・。 腹に一発食らっちまった・・・」 エルニーニャ   「おぃおぃ、そりゃ穏やかじゃないなぁ・・・。」 ラニーニャ   「あいつら、あたいが思っていたよりもヤルよ・・・。」 エルニーニャ   「一人は骨の有りそうなヤツがいたが、他には・・・・。」 ラニーニャ   「あたいにあんな衝撃を食らわせたヤツは今までにいない・・・。    にいちゃん、舐めて掛かれないよ、ここの連中。」 エルニーニャ   「そうは見えないがな・・・。 まぐれの一発がたまたま入っただけなんだよ。」 ラニーニャ   「違う、まぐれなんかじゃない。 狙って打ち込んだ一発だった・・・。」 エルニーニャ   「体が寝ていて、本調子じゃなかったんじゃないのか? 機嫌、直せよ。」 ラニーニャ   「 ・・・・ 、あたいは、あたいはこんな屈辱を今までに味わったことがない・・・。    今までが楽勝過ぎたのか、ここの連中に力があるのかわからない、けど・・・・、    ここのヤツら、野放しには出来ないと心がそう叫んでいる・・・。」 エルニーニャ   「『ラニ』が・・・・ 初めてだな、そこまで言うは。    確かに、少し気になる事柄もある連中だ・・・。    じゃ、次に出会ったら、ちゃんと相手してやるとしよう。 これでいいか?」 ラニーニャ   「 あ・・・・、あぁ・・・・。」 エルニーニャ   「よし、じゃまずは朝飯にしようか。」  会話の後も、『ラニ』は下を向き思い込んでいるようだった・・・。 ~   ~     ~ クラウス総帥   「ニース博士、一晩考えたんだが、」 ニース博士   「おはようございます。 お早いですな。」     ( 研究用白服のボタンを閉めながら ) クラウス総帥   「一晩考えたんだが、あの透明にというヤツ。 あれをオレに施術できるか?」 ニース博士   「おやめになった方がよろしいかと・・・。」 クラウス総帥   「こいつもダメか・・・。」  身なりを整えながら、 ニース博士   「はい、あれは実はまだ研究半ばの状態で、本来商品化出来る段階には及んでお    りません。 課題を多く抱えておりまして。    問題なのは2っ。    1っは持続時間と申しましょうか、施術後はずっと、、、とはなっておりません事。    2っ目は、この施術を受けた者の母体、自身の体に受ける副作用の反動がござい    まして、まだ解決に至っておりません。」 クラウス総帥   「副作用・・・だと?」 ニース博士   「はい、      ( 胸ポケットからタバコを取り出し火を付けた。 煙を吐き出しながら、)    透明になる ということは[光]を皮膚に操作させる訳で、直進してきた[光]を    反射・屈折させずに通過させています。ところが、人間の皮膚というのは、日の    光に全く当たらなくなると、非常に強度の無い弱い皮下組織となります。    つまり、通過させていると皮膚に[光]が当たっていない状態となり、体にさせ    たい事と透明にする事とやっている事が表裏一体、カードの裏表の事をやろうと    しており、どちらかを犠牲にしませんと、生物として、または透明にする目的と    して成り立たないのでございます。    そのバランス、程度の良いところを探る研究が次のステップでした。    ある組織からの注文では、被基本母体が人間ではありませんでした。こちらは先    方さんがそれでも構わないと承諾されました上、こちらもデータ取りになるので    契約成立としましたが、 つまり、実証実験がまだ進行中といったところです。」 クラウス総帥   「オレの体を持ってしても、その皮膚の脅威ってヤツは付きまとうのか?」 ニース博士   「左様です。総帥様は今、強靭な筋力をお持ちです。ですが、それをまとう表面    や包むモノがもろくなってしまうと、もはや原型を留めておられん状態になって    しまいます。」 クラウス総帥   「うむ・・・そういう事か。 よくわかった。 断念せざるを得んか、この方法は・・・。」 ニース博士   「はい。」 ~   ~     ~ セルフィー   「おぃおぃ、まだまだいやがるんかよ、こいつら・・・。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「起きるのが早いな。良く寝れたか?    こやつら[ゾイル]は複製クローンを大量生産できる。 今は透明な状態から    も造れる故、数には事欠かない。」  セルフィーが見渡す周囲、見上げる上方から奥へとズラーっと並ぶそのクローン生  成装置の数に、セルフィーも空いた口が塞がらない・・・。 セルフィー   「こりゃ金、掛かってるな・・・。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「大した事はない。1基57億程で出来る。」 セルフィー   「はぁ~? そんなのがこの数・・・」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「我々はお金には不自由せん。 武器を売る側使う側、新種のウイルスをばらま    く側とその解毒剤・ワクチンを造る側、、お金を使う側も受け取る側も、全て    我らの手中だ。 解るか?    事が起こる表も、それを解決・使う裏側もどちらも手の中。意のままに動かせ    るのだよ。 お金なんてただの数字の移動にすぎん。」 セルフィー   「 ・・・・ 」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「なんでも現代はカードやネットワーク上で取引しておるようだな。通帳の類も    数字の増減だけで。 なんとも遣り易い世の中ではないか。    それより、この機器で1体に3日程製造に掛かる。準備する必要数までには    8000基あるからまぁ20日とちょっと必要となる。    それまでは遊んでおれ。 準備が整ったら再び大竹林寺に進攻する。」 セルフィー   「 ・・・・ どこかの国の、国家予算並みじゃねーか ・・・ 」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「今回は進化した姿から複製出来るため、即戦力として投入できる。    今度こそ、手に入れてくれようぞ。    まさか、再びフル稼働で生産する事になるとは、想像すらしておらなんだった    が。」 セルフィー   「上手くいきゃーいいがな。 また阻止されたら洒落になんねーぞ。    それに俺は[剣]探しに付いてきただけ。    攻め込む片棒を担ぎにきた訳じゃねー。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「お前さんに手伝ってもらわんでよい。好きにしていろ。    昨日は『エル』様との会話の流れで一緒に探す事になった訳だが、頼む用は元々    何もない。 探したいのは[剣]に興味があるとぬかした、貴様の方なのではな    いか?」     ( 装置の稼働状況を眺めながら話をしているミカール ) セルフィー   「役にたたねー 剣探しても始まんねーな。    お前、見つかってねー 割には、かなりの余裕だな。 テメーまさか、本当は既に    在り処を知ってんじゃねーのか!」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「応える義務はない。 使えるものにする、その為にパワーユニットを手に入れる。     ( 急にセルフィーに顔を向けて、 )    パワーユニットが別の場所に分離されている事、それを誰も知らん。[剣]は話    題になっているから、もしかしたら誰かが見つけるかもしれん。    だが、我々が先に探し出し手にするのはこっちなのだよ。」 セルフィー   「くっ、分かれている事を、見つけても使える状態じゃないってことを、知るのは    我々だけって事か。」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「そうだ。」 セルフィー   「あのゆうすけってガキは!」 イルミナルディー[秘密結社]ミカール   「知らんだろう。 知る由もない。 持ち主の『エル』様にしてもな。」 ~   ~     ~ エルニーニャ   「『ラニ』、飯が丸焦げになるぞ。 そんなに思い込むな。」  イノシシの丸焼きをピンビームで刻んで、尖った棒に差して口にしていた。 ラニーニャ   「あぁ・・・・ そうだけど・・・・。」 エルニーニャ   「ちゃんと向き合って会話しよう。     ( 顔と体を『ラニ』にしっかりと向き合うようにして、 )    確かにヤツら、あの防御・・・ 受け方は尋常じゃない。今までの経験では初めて    だ。 それに『ラニ』が受けた攻撃の話。 こちらも今までこんな事は無かっ    た。 何かわからない心のセンサーが、昨日は離脱へと判断させたのだが。    ヤツら、『ラニ』が思うように楽観視して対応してはいけないみたいだ。」  もう一つの尖った棒を差し出す『エル』、                               -つづく- 第4-543話 想悩のラニーニャ -06 へ  (こんくらいでどぉ~?)   ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。     また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。  ● 第一章 1 話 へ  ● 第二章 TOP へ  ● 第三章 TOP へ  ● 第四章 TOP へ

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