■ ドラマ 永久の彼方へ

2020/09/10(木)13:39

第4-551話 嵐の前のひととき -08 (文句あっか?)

第四章 4-481 ~ 560 話 (81)

. ~   ~     ~ ゾルダ   「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」 ザウバー   「リングに上がれと言ったのもな。」 ゾルダ   「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」 ザウバー   「だがよ、蹴り・打撃の全てを受け切るってなぁ相手をきっちり見極めねぇと難し    いな。」 ゾルダ   「どってこない連中だったじゃねぇか。」 ザウバー   「あの時のこういちだ。    オレ達どころか姉貴とRyuichi のも見切って受けてやがった。 やった事ねぇ    と勇気いるぜ。 今日のオレは分かっていたから勇気なんてな必要ないが・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「そう言われればそうアル・・・。」 ゾルダ   「ったく・・・。 なんて野郎だ・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「ここでの用事、あいつだけアルね、この辺りは。」 ザウバー   「あぁ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「折角だから、何か美味しい物食べていくアルよ。」 ゾルダ   「そいつぁーいい。」 ザウバー   「おぉ、メシにするか。」 語り手:     では彼らが食事中に、その後何があったか説明しよう。。 ~ ジム男 3   「鳴らせ。」             カーーン  ゴングの音がジムに鳴り響いた。 ジム男 3   「先程のバンチューローとは階級差があった。    だがこの俺なら少しは近い。ズッシリと重い体重だけでは、守りきれんぞ!」     シッっ シッシッシッ!  フンー!              ズカ パシパシパシ  ズゴっ!  『やれやれー』『いぞいぞ』  門下生の意気が高まった応援。     シッっ シッシッシッ!  フンー! ハッ!          ズカ パシパシパシ  ズゴっ! バシっ!  バンチューローの2階級は上にあると見られるジム男 3 の拳、重い蹴りがザウバー  に襲いかかった! が、 ザウバー   「口先は動かさんでいい。 早く本気で掛かってこい。」  蹴りを食らうもやはり微動だにせず、ジム男 3 を挑発するザウバー。  『おぉ・・・』  突然意気消沈するため息に変わっていく。 ジム男 3   ( こっ、こいつ! 丸で大木にでも打ち込んでいるような・・・ )   「この程度では効かぬかよ。 ならそろそろ本気のムエタイを経験してもらうとす    るか。」  シシッ シッ シッ シッ シャーー      シュシュ ズンズンズン ズゴ★  素早くも重い一撃の拳、膝、そして力を更に込めたミドルフェイクからの顔面への強  打! だが、 ザウバー   「探りはいい。口は達者の様だがおまえ、その上持ってんだろ。                             早く出せよ。」  まるで避けずに受けたザウバー、そんな事を口走ったのだ。 ジム男 3   「なんだとこいつぅぅ・・・。手加減無用とな。    その上と来たか。 ならば・・・、こいつで病院のベッド送りにしてくれるっ!    お望みの、 ムエタイ Spec-01 のぉ、これがこの おれの蹴りだぁぁっ!」                                 シャーー  師匠の本気だと胸をときめかせたリングの周りの門下生だったが、      ガシ★  ズボっ★                      一瞬で氷付いた!  今までと異なる速さと、そして渾身の力を込めたジム男 3 の蹴り! それにときめ  き、『やった』と思った門下生に突如、絶望的な光景が目の前で繰り広げられたのだ!  脚がムチの様にしなって繰り出された猛烈な蹴り、ザウバーはこれを初めて左腕で  受け、目にも止まらぬ速さで次にはジム男 3 に右拳が叩き込まれ、目は血管が浮き出て  くの字でロープに飛ばされる姿が!     ズン ポーーン    彡ドサ ドサドサ  ロープの反動で跳ね返り、リング上に転げたまま動かなくなったジム男 3 ・・・。  門下生からは声一つ漏れることなく、ただただ、起きた出来事だけを注視していた。 ザウバー   「相手が悪かったな。」 ゾルダ   「おぃ、早く担ぎ出してやれや。」  足がすくみ、その場から動く者が一人もいない。 ザウバー   「冷やかしに来た訳じゃねぇ。 ムエタイはいい競技だ。    オレらはこいつに用があっただけだ。 引き上げる。 邪魔したな。」  ロープを自ら持ち上げ、ゆっくりとリングから降りるザウバー。  3人はジムの外に足を運び、 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「格闘で利益を得ている Spec 持ちには、ほんと容赦ないアルね。」 ザウバー   「地球が無くなるかもしれねぇって時に、のんきにその力で銭儲けたぁ気に要ら    ねえ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「だから、さっきの南極調査の人には手を出さなかったアルね。」 ザウバー   「あの日、ゆうすけに貰ったオレ達の行動の手引きだ。    まだ方々に散らばってやがる。 前総帥時代の Spec 戦闘員 の残党がな。」 ゾルダ   「あーぁ、言わんこっちゃない・・・。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「グローブ付けないでって、やりだしたのあっちだよ。」 ザウバー   「リングに上がれと言ったのもな。」 ゾルダ   「まぁグローブは有っても無くても関係ねぇーがな。」 ~ 語り手: な、なにか、いい事してません? ゾルダ   「文句あっか?」  拳を握り、振り上げて顔を出したゾルダ。 語り手: うわぁ・・・ こ、怖・・・ ザウバー   「ただの暇つぶし、それだけだ。」 峨眉拳 棲 陽江(す ようこう)   「婚前旅行も兼ねてるアルよ♪」 語り手: は、はい・・・、そ、それは良かったですね・・・。 ~   ~     ~  チャポーン   チャポーン  鍾乳洞の天井からつららを伝い、雫がひとつ、またひとつと落ちてくる。 スペック-3戦闘員 キジュロ   「なんだよ、雰囲気あるところだな。」  ひんやりとした洞窟内、さらに奥に進むキジュロ。 再びポタン、ポタンとツララ状  に垂れ下がった石灰を伝い、落ちてきた水滴が体を叩く。  時折狭いスペースだったり、突然広がったりと、薄暗い洞窟の中を進むと、突如、天  井が高く横幅もタップリの大空間に到着する。 スペック-3戦闘員 キジュロ   「んん~?」  立ち止まったキジュロの視界には、全拳武道団 支部長達があちらこちらに血反吐を  吐いて倒れている姿が・・・。  辺りを見ながらゆっくりと近寄り、足蹴りで体を仰向けにするも、 スペック-3戦闘員 キジュロ   「こいつらも逝っちまってるか。 だらしないやつらだぜ。」  遺体を眺めつつ、そう漏らした時だった。 スペック-3戦闘員 キジュロ   「んっ !? 」  何かを感じ、広いスペースを見渡しとっさに移動したキジュロ。 シャっ彡  すると、岩壁にふわっと扉の形が現れ、音を立てて開き始めたのだった。               ズズズゴトゴトゴト  そして、何も知らず中から現れたのは あの[前 近衛軍副長]トンコウ。  数歩前に出ると扉は自然と閉まり始め、そしてふわっと見えなくなっていったので  あった。 [前 近衛軍副長]トンコウ   「チュウラン様のご配慮で、命を救われた・・・。    本来、竹林の裏切り行為は重罪で重い刑罰か命を絶たれてしまう・・・。 ミカー    ルめ、ここに攻めこむなんて聞いてないし、こんなことになるとは思ってもみ    なかった・・・。    再びミカールが私を目がけて移動してきても良いようにと、しばらくここに身    を置けと。この程度の罰で済むとは有り難いことだ・・・。」  独り言でぶつぶつと口元を動かしながら、スペースの奥へと歩き出した。  岩壁の上方にへばりついて身を隠し、その様子を伺っていたキジュロ、 スペック-3戦闘員 キジュロ   ( 現れては消える扉だぁ~? なんだそりゃ・・・ ) ~   ~     ~ ゆうすけ   「姉さんの話では、Spec-01 とほぼ同数と。 だから50,000体超えかな。」 [近衛軍長]チーラン   「倍近く・・・」                               -つづく- 第4-552話 破滅への動乱 へ  (お前、ここの者か?)   ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。     また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。  ● 第一章 1 話 へ  ● 第二章 TOP へ  ● 第三章 TOP へ  ● 第四章 TOP へ

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