マイライフ・マイシネマアルカディア

2017/03/18(土)00:34

「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」

映画館で見た映画(502)

ホントの話=実話は、いまはもう実話として作られなくなり、ハリウッドから始まった、”inspired”版=実話をもとに作られた話、よってあちらこちらに作り話が混じっていてもOK。(ホントの話とチョットちがうもOK?)ということだと思う。 ダンスの実話といえば、「フラガール」が思い起こされる。「フラガール」は炭鉱閉鎖に追い込まれた地方都市の生死を賭けた、町の盛衰をかけた話だっただけに、壮絶であった。真摯であった。テレビ番組でドキュメンタリーを見た時に、このフラダンスで都市再生を成し遂げた話を映像化、映画化できれば良いなと感じた。この時期の松雪泰子の演技は真に迫っていたし、蒼井優という名女優があって傑作として結実した作品だった、それだけに素晴らしかった。同様の感動を期待した。真実のダンスの話で成功物語という共通点はあるものの、この「チア・ダン」は部活動の延長線上にあるもので、感動物語ではあるが、「フラガール」ほどではない。しかし、とても感動したし、泣いたし、見て良かったと思える作品である。今、映画にはまって、演技開眼している広瀬すずが素晴らしく、このまま映画女優として羽ばたいてほしい。 みんなを応援する立場になった広瀬すずの舞台そででみんなを見送った後のなんともいえない微妙な表情に胸を打たれた。ラストに誰?と見まごうばかりの大人メイクの広瀬すずもまた絶品、絶妙であった。広瀬すずを応援したいと思う。 作品としては、退団する先輩部員たちの描き方が荒唐無稽すぎて、なんだろうと思える。顧問先生の描写(描き方)が不自然である。あとだしで顧問の気持ちを表現されるが、そこはいらない、というか描くなら同時進行が良いと思えた。人物としての顧問先生を天海祐希は演じにくかったと思う。その点、補助というかインストラクターの大野を陽月華は演じやすかったと思う。動線がつながっているから。このふたりタカラヅカなんだよね。ひかり(広瀬すず)の父を木下隆行が好演していたが、役者が演じていれば、もっと良かったと思う。真剣佑は見せ場がなかったね。チアのメンバーとして大原櫻子が出てたのにはびっくりしたし、中条あやみはよくやっていたと思う。彼女が部長役ということにビックリ。山崎紘菜を初めて見たが、笑顔のできないヒップホッパーは素に近いのではと思えた。ダンスの演技はみな素晴らしく、みんなで揃ってピルエットをダブルで回っていたのには脱帽だ。なかなかの特訓だったに違いない。 テレビで天海祐希と広瀬すずが福井商業高校を訪れた番組を見たが、笑顔がどれだけ大切かを伝えていた。 この作品を見るまで、チアダンスをチアリーディングと同じと思っていた。リフトやトスなどアクロバティック技があるのがチアリーディング。チアダンスはチアリーディングのダンス部分を独立させた競技で、「Pom/Hip Hop/Jazz/Line Danceの4つのカテゴリーをそれぞれ連続して20秒以上(Line Danceは除く)取り入れて演技構成をすること」らしい。 2017年/日本/121分 監督:河合勇人 出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原遥、真剣佑、柳ゆり菜、健太郎、南乃彩希、大原櫻子、陽月華、木下隆行、安藤玉恵、緋田康人、きたろう、天海祐希 お薦め度 「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」★★★★☆(90%)

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る