2019/02/03(日)18:45
「カメラを止めるな!」
300万円で映画が製作できるなら安いものだ。
200万円で本を自費出版したことがあるけれど、あと100万円足して映画を自主製作すればよかった。とは言っても、製作したからといって、公開されるわけではないし、公開されてもヒットするわけでもない。完成した作品がよほど良ければ、この作品のようにとんでもない人気をよんでヒットすることもあるのだろうけれど。
その作品をようやく見た。評判はさんざん聞いたけれど、内容についてはいつものごとく、一切聞かず、ただ長回しという情報だけは耳に入っていた。その状態で見た。
いきなりゾンビ作品が始まり、映像が暗いというか青みがかっているというか、いかにも自主制作、アマチュアもしくはセミプロが撮っていそうな仕上がりである。チープ感ありありの映像。これを長回し(カットなし)で見せ続ける。あっという間に見終わる。
これがヒットするの?見せ場・見せ所はあるかもしれないけれど、疑問に残るところがちらほら。自主制作だから話題をよんだのかな?なんて思う。
<ここからはネタバレ!?>
終わったと思ったのは前半というか冒頭というか30分の長回しの部分。一か月前にさかのぼって話は展開する。鮮明に綺麗な映像。これこそが映画(笑)。お金を払ってみる価値がある鮮度である。
売れない(?)映像監督がテレビ局の記念番組の生中継ドラマの監督に抜擢される。そして始まったゾンビ作品の稽古。そこで繰り広げられる人間模様。個々の性格が描かれていておもしろい。そして、その個性が生中継で生きてくる。
長回しで疑問や気になった点の答えがそこにはあった。撮影の舞台裏がうつしだされ、さもありなんと思える理由がありありとあり、楽しめた。いろいろなアクシデントを乗り越えて生中継を視聴者からすれば滞りなく伝えた舞台裏を見られたことは観客としての喜びを増幅し無事放送終了時には出演者・スタッフと一緒になって快哉を叫びたくなる心境になる。
見終えてみれば配役も見事で、個性を生かした作品に思えてくる。
とてもとても斬新でおもしろい作品であった。
女優陣、真魚やしゅはまはるみや秋山ゆずきの演技が素晴らしいと思えた。
2017年/日本/96分/G
監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、竹原洋、山崎俊太郎、大澤真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき、山口友和、藤村拓矢、イワゴウサトシ、高橋恭子、生見司織
お薦め度
「カメラを止めるな!」★★★★☆(90%)