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2020/04/28(火)13:33

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

家で見た映画(1717)

クエンティン・タランティーノは合わない。「パルプ・フィクション」は新鮮味と話題性で見どころたくさんだったけれど、あえて見ようとは思わない映像作家(監督)である。 この「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は映画公開時に見に行こうと思ったけれど、なぜか、見に行けなかった。見に行く前に上映が終わってしまっていた。アカデミー賞では10部門ノミネートされ、助演男優賞と美術賞を受賞。これはぜひとも見なければならなくなったと思った。そこで本日思い立ってようやくAMAZONプライムで見た。399円料金払ってレンタル視聴。 ブラッド・ピットは同世代なので彼がロバート・レッドフォード監督作「リバー・ランズ・スルー・イット」(私の映画評:77点)で登場した時には大注目を浴びたことを身をもって知っている。ロバート・レッドフォードほど二枚目ではないがイケメンスタートしてレッドフォードの後継者として話題になったと記憶する。ブラピはファンが多く、僕も好きな俳優なので好んで見に行った。 この作品の主役はレオナルド・ディカプリオのようだ。彼を見たのは「ボーイズ・ライフ」(私の映画評:70点)でロバート・デーニーロとの共演で注目を浴びた名子役であった。見逃しているがその次の作品である「ギルバート・グレイプ」で名をあげ、人気を博したようだ。彼も嫌いでなく、その作品の多くを見ている。 さて、この二人が初めてタッグを組んだ。 大物スターが共演するときには序列がどうとかでダブル主演となるとクレジットは横並びでなく、英語だと左が先なので、右にクレジットされる名前を一段、いやわずかに(半段)上に持ち上げるという手法が用いられ、以後、同じ習慣が続いているはずだけれど、主演と助演の違いがあるのか、ディカプリオが先に左にありブラピは右に横並びである。 数多くアカデミー賞にノミネートされプラピが助演賞を取ったということで期待したけれど、それほど大した作品でもなく、在りし日のハリウッドのスターの数年間をきりとったものである。ブラピの演技も賞をあげたいと思えるほどのものでもない。過去、何度も受賞できなかったので、そろそろあげなきゃみたいな受賞の意味合いが強いのかもしれない。 <ネタバレ> 映画はシャロン・テート殺人事件をモチーフにしているというが、その事件を忠実に描いているわけではない。また、フィクションで描いているわけでもない。この事件に対するクエンティン・タランティーノ監督の意思というか、怒りというものを表現したように思う。この結末で作品にしてよかったのか? いつものように極力情報を仕入れないので、もれ聞こえてくる情報からハリウッドの俳優と俳優付きのスタントマンの話と思っていた。二人の交流が濃密に描かれるのかと思ったけれど、それほどのことはなく、映画の撮影現場、ヒッピーたちのねぐらなど個々の活動を追っていて、イタリアでのマカロニ・ウエスタンなど4本に出演した半年間など、ダイジェスト的にまとめられているので、リック・ダルトン(レオナルド・デカプリオ)がどのような体験をして盟友クリフ・ブース(ブラッド・ピット)を解雇しなければならなくなったかという思いが伝わってこない。セリフだけで言われてしまうと内容は伝われど感情は伝わらずであった。 冒頭のクレジットを見たときに、アル・パチーノとブルース・ダーンの名を見つけオールド・ファンとしては気持ちが高ぶった。パチーノの姿はすぐに登場してよくわかったので嬉しかった。しかし、ブルースはいつまでたっても出てこない。見逃したのか、と思いながら見続けて、見終わってしまった。これを書くのにあたって調べてみると盲目の牧場主がブルース・ダーンであった。あの姿では認識できない。80歳を越えた役者が久々に出演して面影を探しても難しいということかもしれない。 少女、​ジュリア・バターズ​は美しかった。 2019年/アメリカ/161分/PG12 監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:クエンティン・タランティーノ 出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、ティモシー・オリファント、ジュリア・バターズ、オースティン・バトラー、ダコタ・ファニング、ブルース・ダーン、マイク・リー、ルーク・ペリー、ダミアン・ルイス、アル・パチーノ、カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、マイケル・マドセン 原題:Once Upon a Time... in Hollywood(「昔々...ハリウッドで」) お薦め度 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」★★★☆(70%) *************** ブラッド・ピット 過去の鑑賞作品  公開年 「題名」 (お薦め度)    年「リック」★★★☆(70%) 1993年「リバー・ランズ・スルー・イット」★★★★(77%) 1994年「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」★★★☆(70%) 1995年「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い」★★★★☆(88%) 1996年「セブン」★★★☆(70%) 1996年「12モンキーズ」★★★★(83%) 1997年「デビル」★★★★(80%) 1997年「セブン・イヤーズ・イン・チベット」★★★★(78%) 1998年「ジョー・ブラックをよろしく」★★★★(77%) 1999年「ファイト・クラブ」★★★(60%) 2001年「ザ・メキシカン」★★☆(50%) 2001年「スパイ・ゲーム」★★★★(85%) 2001年「オーシャンズ11」★★★★(80%) 2004年「トロイ」★★★★(83%) 2005年「Mr.&Mrs.スミス」★★★★(80%) 2007年「バベル」★★★★(77%) 2007年「ジェシー・ジェームスの暗殺」★★★☆(75%) 2011年「ツリー・オブ・ライフ」★☆(30%) 2011年「マネーボール」★★★★(80%) 2013年「ワールド・ウォーZ」★★★(60%) 2014年「フューリー」★★★☆(70%) 2016年「マネー・ショート 華麗なる大逆転」★★★☆(70%) 2017年「マリアンヌ」★★★★(80%) *************** レオナルド・ディカプリオ 過去の鑑賞作品  公開年 「題名」 (お薦め度) 1993年「ボーイズ・ライフ」★★★☆(70%) 1997年「ロミオ+ジュリエット」★★★★★(99%) 1997年「タイタニック」★★★★★(99%) 1998年「仮面の男」★★★(65%) 2000年「ザ・ビーチ」★★★(60%) 2002年「ギャング・オブ・ニューヨーク」 2003年「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」★★★★(80%) 2005年「アビエイター」★★★★(80%) 2007年「ディパーテッド」★★★☆(70%) 2007年「ブラッド・ダイヤモンド」★★★☆(70%) 2009年「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」★★★☆(75%) 2010年「インセプション」★★★★(83%) 2012年「J・エドガー」★★★☆(70%) 2016年「レヴェナント 蘇えりし者」★★★★(80%)

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