2021/07/15(木)23:14
「天才作家の妻 40年目の真実」
「危険な情事」で名を馳せたグレン・クローズのアカデミー賞ノミネート作品。似て異なるメリル・ストリープは「恋に落ちて」や「クレイマー・クレイマー」などで共感を呼べる女性としてブレイクしたのに対し、狂気ストーカーとなった「危険な情事」のグレン・クローズはアカデミー賞に8回ノミネートはされど受賞はなし、メリル・ストリープは俳優最多の21回ノミネートで3度受賞と明暗分かれる。会員投票で決まる受賞は好き嫌いがわかれるのかなあと思ってしまう。見た目、どちらの女優も好みではないが、グレン・クローズのほうがより恐い感じがする。
さて、この映画作品。実際にこのようなことがあるのだろうかと思ってしまう。着想はえても書かなければ作家とは言えない気がするのだけれど。
40年連れ添った著名作家がノーベル文学賞を受賞する。その授賞式に臨むまでの数週間、若い時の回想を織り交ぜて夫と妻の二人の関係を描く。
大学講師として女子大生を教え、文学に精通しアイデアがあった既婚者の男が、執筆能力のある女子大生と恋に落ちる。やがて…。
孫が生まれるという老夫婦で夫は著名作家となっていた。そしてノーベル文学賞を受賞。
仲睦まじいかと思えば口論、嫉妬・恨み・後悔…ふとしたことで仲直りと、かんかんがくがくとした夫婦のやり取りの起伏、感情の上下は素晴らしいほど見事である。名演技の応酬を見せてもらった。感服。
濃密で重量感のある作品を見せてもらった。
老夫婦グレン・クローズとジョナサン・プライスは美男美女とはいえないと思うけれど若い二人、ハニー・ロイドとアニー・スタークは色気のある美男美女であった。
クリスチャン・スレイターが伝記作家記者として重要な役回りをし、若いころ一線級で主役を飾ったエリザベス・マクガバンが出演していることに驚いた。
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2017年/スゥエーデン・アメリカ・イギリス/101分/G
監督:ビョルン・ルンゲ
原作:メグ・ウォリッツァー
脚本:ジョーン・アンダーソン
出演:グレン・クローズ、ジョナサン・プライス、クリスチャン・スレーター、マックス・アイアンズ、ハリー・ロイド、アニー・スターク、エリザベス・マクガバン
原題:The Wife(「その妻」)
お薦め度
「天才作家の妻 40年目の真実」★★★★(80%)