2021/12/05(日)11:02
映画レビュー 「ザ・ウェイバック」
これは高校バスケットボール・チームの立て直しで感動する作品ではなくて、息子を亡くしたことでアル中になった高校バスケットの元スター選手が立ち直ろうとする話である。
アルコール依存症になる人は多く、主演のベン・アフレックも撮影当時、アルコール依存症になっており、主人公であるジャックを演じたことで一種のセラピーになったと言っていたようだ。
行きつ戻りつするアルコール依存の道から脱するために、本人よりもまわりが心配し手助けをしている。そのことはとても幸運だったといえる。まわりの手助けがなければ、野垂れ死んでいても不思議ではない。事実、この作品の中で意識不明になる事態も出ている。
ジャックが高校在学中に旋風をまき散らして以来、弱小チームとなってしまったチームには選抜5名控え5名の10名しかいなかった。ジャックの時には入部希望者が100人は超えたというのに。ヘッドコーチが心臓病のため辞任され、本来ならアシスタントコーチが昇格してヘッドコーチとなるはずなのに…。数学教師でもあるアシスタントコーチは家庭で世話をしなければならない母を抱えており、ヘッドコーチ就任は無理だったのだ。白羽の矢が立ったジャックはしぶしぶコーチ就任を受諾する。そして…。
高校のバスケット・チームは勝利よりも生徒を立派な人に育てることが優先される。そのことを如実に示している結末。その点でも教訓のある作品である。
Netflixにて
2020年/アメリカ/108分/
監督:ギャビン・オコナー
脚本:ブラッド・インゲルスビー
出演:ベン・アフレック、アル・マドリガル、ミカエラ・ワトキン、ジャニナ・ガバンカ-
原題:The Way Back(「戻り道」)
お薦め度
「ザ・ウェイバック」★★★☆(70%)