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2022/06/25(土)20:40

読書レビュー 「まぐだら屋のマリア」原田マハ:著 幻冬舎

読書(470)

気になって読んでみたけれど、衝撃であった。原田マヤなので、人間味あふれる(?)とてもエンタテイメントな作品なのかと思ったけれど、違った。と思う。こんな感じ、負のイメージの作品は読みたくないなと思って、読み始めた。 世間を騒がせた食品偽装問題をもとに最果ての地で夢も希望も生きる力も失くした者が、生きながらえることを描いた。登場人物であるマリアの造形はどのようにされたものかわからない。そこに原田マハ、著者自身を反映されているのかもわからない。いろいろな経験をしてきた大人の目線で、しかし、5年間老舗高級料理屋で修業した若者の気持ちで感じ行動している。謎に包まれた過去。背負ってきた過去。それこそ温かい太陽を浴びた日もあれば、雪に閉ざされた日もある。人との関係も極限的だと思える。感動も喜びもなく、けれどつながる関係性。そして、しみわたるようにあふれる思い。どんなにどんなにどんなに辛い目に遭っても生きてていいんだ。故郷を大切に、そう思える本なのかもしれない。 ​ まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫) [ 原田 マハ ]

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