2024/10/12(土)13:11
映画レビュー prime video「007 ロシアより愛をこめて」
007/ロシアより愛をこめての作品情報・あらすじ・キャスト - ぴあ映画 (pia.jp)
子供の時にテレビ放映で見て以来なので、約50年ぶりくらいで見る。
とてもいい作品だった印象があり、内容を忘れてしまっているのでいつか見直してみたいと思っていた。この機会に見る。
先に見た「007 ドクター・ノオ」は前近代的な映画作品で驚いたので、この作品も同様だったらどうしようと不安があったが、現代の007と比べてもそん色のない内容となっている。アクションが増えて銃撃戦もあり、スパイのスパイなどダブル・エージェント的に複雑な関係にして、サスペンス感を増やしている。007への刺客であるロバート・ショーの恐ろしさ、みごとであった。
ベッドシーンにしてもこの時代、エロな合体などなく、とはいえベッドシーンとしてみごとに成立していた。知恵の産物である。
二代目ボンド・ガールのダニエラ・ビアンキは美しく品があり、ロシア女性かと思われたがイタリアのセレブの令嬢だったようだ。ミス・イタリアに選ばれて監督であるテレンス・ヤングの目にとまり抜擢となった。それゆえ英語が話せるというわけでもなく、Wikipediaによると”彼女にとって本作は10年の映画キャリアの間に出演した唯一の英語フィルムである。ただし彼女の本当の声は作品に残っていない。イタリアなまりの強い英語はBarbara Jeffordによって吹き替えられた。イタリア語版はそれをMaria Pia Di Meoが吹き替えた。”とある。ゆえに彼女の声は聴けない。結婚して引退とのことで、女優活動をする気はなかったらしい。
このダニエラ・ビアンキ演じるソ連スパイのタチアナが体を張ってジェームズ・ボンドを虜にして、形の上の夫婦となるけれど、幕切れのタチアナの言動が冴えわたっている。
この作品はストーリーも展開も人間描写も良く描けていて、スリリングで派手さもあり、わずかに疑問に感じる逃亡以外は絶賛すべきと思える。本邦公開当時の「007 危機一発」は危機一髪をもじった名文句題名で話題を呼んだのだろう。当時の邦題は素晴らしくイケていた。ジェームズ・ボンドはこの映画で危機一髪(発)を何度もくぐりぬけていた。
これぞ007と思える傑作である。
amazon prime video にて
1963年/イギリス/115分/
監督:テレンス・ヤング原作:イアン・フレミング脚本:リチャード・メイボーム出演:ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ペドロ・アルメンダリス、ロッテ・レーニャ、ロバート・ショウ、バーナード・リー
原題:From Russia with Love(「ロシアより愛をこめて」)
お薦め度
「007 ロシアより愛をこめて」★★★★(80%)