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テーマ:読書(8775)
カテゴリ:読書
なんなんだこれは!? 夏目漱石の「吾輩は猫である」も「坊っちゃん」も読み始めたが、冒頭で挫折した過去がある。昭和の時代に挫折した。 さて、今も書店の売り場に堂々と陳列されている近代作家、夏目漱石。彼だけが鎮座していると思える。思うところあり、夏目漱石を読んで見ようと思った。漱石の前期三部作と言われる「三四郎」「それから」「門」は読んだ気はする。そして、「こころ」を読んでとても感銘を受けた覚えがある。そんな過去があり、今般、思い立って「吾輩は猫である」と「坊っちゃん」を書店で買い求めた。「吾輩は猫である」があまりに分厚い本なので後に回し、次作である「坊っちゃん」を読んでみる。 大学の物理を出て数学の教師として松山へ赴任した若者。漱石自身、英語教師として松山に赴任しているのだから、実体験をもとに架空の話として小説に仕上げたのだろう。あらためて読んでみると、あまりに荒唐無稽。教室で生徒を教えるということが一切ない教師である。というか教室での描写なく、枝葉末節ふくめ、課外というか校外というか日々の生活を描き、学校政治というか人事や生活にまつわるえこひいきや軋轢、いざこざを描いている。悪事千里を走る状況に堪らず、教師を辞して東京へ帰るという、なんとも短慮な話。これのなにが面白いのか理解できないと思った。しかし、社会での人間関係、力関係で言いたいことも言えず、正義も通せず、憤懣やるかたない状況を良しとせず、立つ鳥跡を濁して、さっぱりと断ち切れる様が痛快だったのかもしれない、 坊っちゃん改版 (新潮文庫) [ 夏目漱石 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.12.04 21:04:07
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