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カテゴリ:読書
![]() 小川糸、ちょっと他にいない変わった作家かもしれない。 空想で描く架空の話(おばけとか妖怪とか怪獣とか妖精とか魔物とか宇宙人とかが出て来るようなもの)は別にして、このような登場人物はなかなかいないと思える。それはリムジンのこと。リムジンというから車なのかな、とカタカナで書いてあるし。それが理夢人(リムジン)という男性であることがわかるのは話のずいぶんとあとでのことだ。彼が生まれた状況、育った環境というのはたぶんこの物語のリムジン以外に存在しないのではないだろうか。主人公・小鳥はシングルマザーに育てられた。シングルマザーに育てられえた女子は数多くいるだろうけれど、母の睦ごとを目にして、睦ごとに依存する母から、また母の相手である男たちから逃げ出した経験を持つ人はわずかに少数、あるいは小鳥以外にいないのかもしれない。そのような二人が物語の後半に出会う。前半は小鳥の物語である。小鳥が一人で生きていく(自立した)話が前半である。 場所は地方であろう。それもかなりの地方ではあるが、ド田舎まではいかない。とはいえ都市とは思えない。 読み終えるまでラブストーリーの本だとは思わなかった。主軸は幸せを見つける話なのかもしれない。生きることの喜び、性生活の甘美を描いている気もする。後半に描かれる小鳥のリムジンの関係がとても優しく温かく感じられるのでラブストーリーと思えた。 とてもいい本だと思う。 小鳥とリムジン (一般書 471) [ 小川 糸 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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