2008/06/14(土)23:31
『さまよう刃』 東野圭吾
「さまよう刃」 東野圭吾 角川文庫 705円
長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躙された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える---。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。
2008年6月、読破。
この物語で描かれているカイジという化け物が、更生して人間に戻るとは、とうてい信じられないです。未成年と言えども犯罪の内容や質によって、もっと重い刑が科せられるべきではないかと思わざるを得ないです。
今後、同じような犯罪を起こさせないために、どうしてこんな化け物が生れてきたのか、化け物自身を研究する必要はあると思いますが、化け物である限り、社会へ戻してもらっては困ります。
読み始めてすぐに、結末はどうなるのだろうかと知りたくなるストーリーで時々後ろのページをめくりたくなる誘惑と闘いながら、一気に読みました。
結末は、落ち着くところはこのあたりなのかなと思いますが、主人公の長峰、和佳子を始め、結局全ての人の人生が、化け物のために狂わされてしまった結末は救いがないです。