失点率が鍵になる
混戦模様のセカンドラウンド、セミファイナルに進むには失点率が鍵になる。 ピッチャーには最小限の失点に抑えて欲しいと祈りつつ、日本対メキシコ戦の始まりを待つ。日本先発は松坂、メキシコはロアイザ。2回表、松中が4球を選び、岩村がセンター前ヒットを放ち、1,2塁。しかし多村のバント失敗で、三塁に向かう松中と多村がアウト。続く小笠原もファーストゴロで、2回攻撃終了。2回裏、メキシコの攻撃、1アウト四球で塁にでたゴンザレスが、中途半端に盗塁を試み、1,2塁間に挟まれながらも、西岡の1塁への悪送球の間に、3塁に進塁してしまう。西岡の戸惑った表情が映し出される。あのタッチアップの判定いらい、一気に画面への露出度の増えた西岡。実況アナウンサーも“あの西岡”という感じで資料をみなくても、NISHIOKAという名前が言えるようになった。1アウト三塁も、松坂の好投で後続を空振り三振、センターライナーで無失点に抑える。3回表、里崎、川崎のヒット。イチローの犠牲バントで2,3塁へ進塁。1アウトで西岡はピッチャーゴロに倒れ、飛び出していた3塁走者の里崎が挟まれ2アウト1,2塁。福留がセンターゴロに倒れ、ノーアウトでランナーを出しながらも、またもや、無得点。なんだか見覚えのあるパターン…となんだか少し心配になる。3回裏、松坂の気合の入った投球が凄い。「打てるものなら打ってみろ!」といった勢いで、繰り返し同じコース、内角低めにストレートを投げ続けているにもかかわらず、打者はビクとも体が動かない。どこに投げてくるか分かっているのに、手も足もでないという感じだ。メキシコ打線は3者凡退に終わる。4回表、松中のレフトヒット、岩村の四球、多村の犠牲バントで1アウト2,3塁。続く小笠原が気迫で初球をライトヒット。2者生還し2-0先制に成功する。2回、3回と走者を出しながらも、点につなげられなかった日本チーム、やっとここでホッとする私。1アウト1塁。続く好調の里崎がライトスタンドに2ランホームラン。一気に4-0へと突き放す。後続の川崎はレフトフライ、イチローはヒットを放つも、西岡が内野ゴロに終わり、3アウト。(少し西岡が調子を落としているのではないかと気になっている。周りの騒ぎを気にせず、本来のプレーを取り戻してほしい。)4回裏続く松坂の好投でメキシコ打線は3者凡退。この松坂の投球には惚れ惚れとした。大リーグのスカウトも涎を垂らして見ていたのではないか。5回表福留が、二番手投手のレイエスから詰まった当たりながらも、幸運な内野安打。続く松中がライトヒットを打つと、勢いよく3塁を狙った福留はタッチアウト。1アウト1塁。岩村のセカンドゴロで、松中は封殺、しかしダブルプレーを狙ったショートの悪送球で岩村は2塁に進塁。レイエスから多村への投球の間に岩村が3塁へ盗塁。多村のセンター前タイムリーで岩村が生還。5-0に点差を広げた。5回裏、松坂は内野ゴロ、四球で走者を出したものの、続く打者を併殺打にしとめ、メキシコ打線またもや、三者凡退。6回、7回と目立った動きなし。メキシコピッチャーは3番手のオルテガ。日本は松坂から2番手の和田に。8回表、メキシコは4番手ピッチャーオスーナに交代し、日本は岩村、多村、小笠原が三者凡退。8回裏、3番手の薮田が先頭打者のオヘダにソロホームランを打たれる。クルーズのサードフライを岩村と川崎が交錯しながらも無事にキャッチし、後続の打者を内野ゴロ、空振り三振に打ち取り、1失点、最小限の傷口に抑える。9回表、先頭打者の里崎がまたもやライト前ヒットで出塁。川崎の犠牲バントで里崎は2塁に進塁。1アウト、イチローの打席。イチローの1,2塁間を抜けるヒットで里崎生還、6-1と5点リード。西岡が4球を選んで、2塁イチロー1塁西岡。福留がライトフライ、松中が内野ゴロで3アウト。9回裏、抑えの投手は大塚。ノーアウトで二人のランナーを塁に出したが、一人をセンターフライでアウト。次の打者を内野ゴロで併殺打にして試合終了。6-1日本の勝利。しばらく出番のなかった大塚、嬉しそうにヨッシャーッ!!松坂の気迫の投球、和田、薮田、大塚の継投が、メキシコ打線を1失点に押さえ、セミファイナル進出への望みをつなげた。打線も4回の4点に続き、5回、9回に1点づつの加点によって落ち着いて試合を観る事ができた。WBCのオフィシャルサイトによると、明日の韓国戦で6失点以下か、2点差以上でで勝利すれば、失点率で土曜日からサンディエゴで行われる準決勝にすすめる、とのこと。まずは点差でなく、勝利することに集中して欲しいが、万が一、日本が韓国チームに負け、米国もメキシコに負けるようなことが起きた場合、日本は6点以内の失点に終わり、米国が2点差以上で負けた場合には、まだ日本チームは準決勝に進む事ができるようだ。(勿論、日本が負けて、アメリカがメキシコに勝ったら、点差に関わらず、セミファイナル進出は消えます。皆さんご存知ですよねー。)これは可能性として書き出してみたが、やはり、日本チームが勝利してサンディエゴに行くに越したことはない。試合後のイチローは韓国戦について問われると、強い決意を口にしていた。「日本では、受けて立ったというスタンスがあった。今回、僕らは向かっていきますよ。挑戦者です」 気合だとか負けん気で、競り合う試合は 日本チームには分が悪いと感じていた私。できれば、日本チームは淡々と点を重ね、韓国チームの闘争心が空回りしている間に、あっけなく日本の圧倒的勝利という展開がベストと考えていた。しかし日本チームが挑戦者として戦うのか...。よく考えてみたら、この国別対抗戦の出場国の中で韓国だけが、唯一の無敗国なのである。いつまでも、「本当は日本の方が強いんだぞ」なんていうような意味のない、上からみる姿勢は捨てて、日本チームが韓国チームに、競って競って勝ち越す試合、この国別対抗戦で、初めて韓国を負かす国になるのも悪くないかもしれない。エンジェルススタジアムの外野席がガラガラなのを見て、あんなに空いているのなら観に行けばよかった、とちょっと後悔している。もし日本チームがセミファイナルに進むことができたら、観にいこうと友達と話している。