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昼前に、玄関のチャイムが鳴った。ここは建物入口とエレベータ前とに呼出しがあってそこを通らないで直接玄関のチャイムが鳴ることは通常あり得ない。覗くとお隣Tさんのお世話をしていらっしゃる、市福祉公社のSさんだった。
ドアを開けると報告だった。お隣のTさん、今朝9時半に訪問看護師が部屋に入ると倒れていて既に息がなかったというのである。近くに身よりはないため、とりあえず訪問機関の方で病院に搬送後安置所に納めてあるという。あっけないお別れだった。 Tさんは確か92歳、足元は覚束なくなっていたが、頻繁に外でお目にかかっていた。朝食は近所のカフェで、またロビーで新聞を開いている姿も目に残っている。そういえば最近お見掛けしなくなっていたか。2年程前だが、ベランダに倒れている声を連添いが聞きつけ、私が境を乗り越えて救出したことがあった。 数年前に連れ合いを亡くされ、その大分前に弁護士だったお嬢さんを亡くし、そして昨今はご自身の体調が優れないと、大変の連続だった。そんな中でも、最期まで施設に入らず、自宅で頑張っておられたから、まあ本望だったに違いない。 娘婿とお孫さんが京都在住で、以前は1カ月交互に京都に出向いていて、お土産に阿闍梨餅を戴くのが恒例だった。ただ関係は疎遠になりつつあったと聞く。代わりに親身に面倒を見ていたのが、先日初めて食事をご一緒したカナダ人のTrさんである。情報交換し、できることはしようと話し合った矢先だったのに。 現状日本の扶養関係は血縁主義である。法手続き的には身内でないといくら親しくても気持があっても何もできない。Trさんも私も見守るだけなのだ。ただ、想像するに直近の親族は孫たちだろう。娘婿は埒外なのだが、遠地だし事はうまく運ぶのだろうか、心配である。 できることはして差し上げたいし、葬儀にも参列できればと願うが、どうなることか。資産整理なども難航するのではないか。確か成年後見人制度も準備中だったと聞く。日頃からの遺言や財産関係の一覧化、これを能力のあるうちに進めておく必要を改めて感じる。 明日は我が身である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 3, 2023 08:41:08 PM
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