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私は、昔から古文は得意な方だった。高校時代、古文の教科書に出てくる有名な一部だけのつまみ食いでは飽き足らず、その書物全体が欲しかった。しかし、古典文学大系を揃えるほどではない。
そんな時に便利なのが、今はもうないのだろうが、「福音館文庫」という全釈シリーズ、全釈で訳文もありながら全体は文庫本の半分程度の大きさ、そのコンパクトさにも魅了された。このシリーズは古文だけではなく、物理や価格の公式集なども出版されていて、そちらも愛用してはいたが、中心はあくまでも古文。 何冊も買った。論語、徒然草、平家物語、古今和歌集、土佐日記や方丈記等。その中に「奥の細道」もある。60年前だから無理もないが定価は120円とある。ラーメンが1杯50円だった時代である。中でも徒然草と平家物語は、ずっとずっと通読が課題としてきたのだが、平家物語はまだ終わらない。 そんな中で、奥の細道もずっと読みたかったのだが、俳句だけの拾い読みなどはしたもののやはり通読はできていなかった。こういう通しで俯瞰図を把握したい場合は何か解説本があると有難い。平家物語だと、三省堂の「平家物語ハンドブック」という本が重宝している。 先日仙台から山寺に行った際、土産物屋で手にしたのが標記の本、紐綴じ、絵付きで文章は古老が老人語で解説を展開している構成になっていてとても読みやすい。つい購入して折に触れて眺めている。お陰で本文だけでは難しかった情景が思い描けるようになってきた気がする。 最近は特に、バタバタと何かにつけて忙しい。目先のことに注力していくと時間がどんどん過ぎてしまい、ゆったりと実用的ではない読書をする余裕がない。定年後の生活として思い描いていた状況とずいぶん異なる。きっとゆったりするのも、意識して努力してゆったりさせなければならないのであろう。 当面、平家物語とは言わないから、奥の細道を通読して満足感を味わいたいと願うものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 6, 2023 10:17:56 PM
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